夏の休日、図書館を味わう
図書館に足を踏み入れたとき
フワッと鼻で感じる
あの独特のにおいが
たまらない
本屋さんに入ったときに感じる
新書のワクワクするにおいとは
また違う
古い紙の
ホッと落ち着くにおい
中をゆっくり見回すと
ゆるやかに弧を描いた棚に
ズラリと並ぶ背表紙は
圧巻の景色
図書館の魅力は
蔵書の多さ
本屋さんには
並んでいないような
マイナーな本でも
図書館には「ある」
という場合が多い
珍しい事典や古書も
あらかた揃っている
ところで、
本には「言葉」が書いてある
「言葉」の一つひとつには、
・辞書的な意味
・前後の文脈から生まれるニュアンス的な意味合い
・一人ひとりが今までの経験から類推するイメージ
が入り混じっている
つまり、
「言葉」を見ることで
その「言葉」に含まれているイメージが
頭の中に
瞬時に広がる
そんな「言葉」がぎっしりと
詰め込まれた「本」が
フロア全体の棚に
またまたぎっしりと
立ち並んでいる
もし、
図書館中の本の
「言葉」のイメージが
すべて頭の中に展開されたら
どんな広さになるんだろう
そう考えると、
この図書館という
人類の叡智を凝縮した場所は
四次元空間のような
未知の世界
そんな想像をしながら
真夏でも
涼しくて静かで快適な
図書館を
贅沢に味わう