【昆虫食】幼虫を生きたまま食するボルネオ先住民
赤道直下に位置する世界で3番目に大きな島、ボルネオ島。この島に暮らす先住民ドゥスン人(Dusun)には昆虫を食する文化がある。今回、サゴワームとして知られるヤシオオオサゾウムシの幼虫の食べ方を紹介させて頂く。※記事の中には、幼虫の写真が出てくるため、苦手な方はお控えください。
ヤシに生息するサゴワーム
ボルネオ島北部に位置するマレーシア・サバ州の山奥で、自給自足を生業にするドゥスン人の村では、様々な方法でサゴワームが食されている。
マレー語で、ルンビア(rumbia)と呼ばれるサゴヤシに生息するヤシオオオサゾウムシの幼虫。手にとってみたのは、体長5cmほどで、ずっしりとしていた。噛みつくことがあるそうだが、掴んだり手のひらに置くことができる。マレーシア・サバ州ではブトッ(butod)として知られ、先住民の間で広く食されている。
(YouTubeにサバでの採取動画がありましたので、ご興味ある方はご覧ください。)
初めてのサゴワームはスープにして
朝方、外を眺めるとドゥスン人のおじさんが忙しそうに木のようなものの中から何かを取り出していた。
持ってきたのは、うごめくサゴワームたち。食する文化があることは知っていたが、この日初めて目にした。
初めてのサゴワーム体験は、おじさんおすすめのスープだった。揚げて食べることもあるが、おじさん曰くスープが一番美味しいという。嗜好品感覚ではなく、ご飯のお供に食べられていた。
初めて口にした感想。見た目はクリーミィに見えるが、ほとんど水分で脂っぽかった。とてもオイリーなスープであった。味も美味しいとも不味いともなく、無味であった。
生きたまま食する
私にとっての初めての経験はスープであったが、先住民は生きたままのサゴワームも食する。
うごめくサゴワームたち。1つ手に取って、そのままローカルの甘い醤油と塩を混ぜたソースにつけて食べていた。私はただただ見ているだけだった。
町でも手に入る新鮮なサゴワーム
ボルネオ先住民カダザン人やドゥスン人が多く暮らす地区にある地方市場では、伝統料理に使われる野菜や昔ながらの嗜好品などが売られており、生きたままの新鮮なサゴワームを手に入れることできる。
ビニール袋に土と共に生きたままの幼虫が入っていた。10匹ほど入って、310円だった。
ホテルやレストランでも食べられるサゴワーム料理
マレーシア・サバ州のホテルやレストランでは、サゴワームを提供しているお店がいくつかある。
昔訪れたサバ州都コタキナバル、タンジュンアルビーチでのお祭り。どうやら今は閉業してしまったようだが、レストランの屋台が出ていた。
そこにはなんと、お寿司にされたサゴワームが・・・。お米の上にサゴワームを乗せ、きゅうりで巻いたお寿司。残念ながら、このレストランは閉店してしまったようだが、他にもサゴワームが食べられるお店があるので、是非渡航された際は、挑戦してみてはいかがでしょうか。