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レーゾンデートル _ 詩

湯船に浸かり、
蓋をテーブル代わりに詩を書く
入浴剤のピンク色に
言葉を引き摺り込まれないように
画面に飛んだ水滴を
バスタオルで拭き取って
肩がだんだん冷えてくる
曇りガラスの窓が泣いてる
換気扇の音は永遠を、
シャボンの香りは思い出を教えてくれる
裸を包む透明な時間が、
心を搾る執筆の果実が膨らんでいく
あと五分だけ、沈んでいよう記憶の海に
もう五分だけ、浮かんでいよう心の宙に

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