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デクレッシェンド _ 詩

クリームソーダのゼリー
さくらんぼだけとりだして
君に書いた手紙の宛名
齧りかけの林檎の苦さ
青空に残る飛行機雲と
同じ方角に飛ぶ鳥たちと
炭酸の抜けたジンジャーエール
羨ましく思うのは
心に刺さったあの日の涙
急に降り出した真昼の大雨
もう忘れてもいいのかな
もう忘れたらいいのかな

オリーブオイルの瓶に
隠れて二度と出てこない
夏が終わればそれで終わりか
だったらこの痛みは何か
青空を映す君の瞳とは
違うものを見ている僕は
炭酸の泡が弾けるように
まるで元々なかったように
心が腐っていくのがわかる
もう二度と戻れないと思う
たとえ君が忘れようとも
たとえ君を忘れようとも

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