見出し画像

詩歌羽根 _ 詩

古風な文体の恋の詩を読んだが、わからなかった
カタカナ混じりの現代詩も、わからなかった
流行りの歌に乗る言葉たちも、わからなかった
歌仙の流れるような文字たちも、わからなかった
唯一わかるのは、どれも死んだ言葉だということ
目で、耳で、認識して、
私の心に流れ込んで、
息を吹き返し、蘇るものがある
それはまるで、不死鳥のようだ

軽薄な詩に浴衣を着せたら、わかった気がした
重厚な題目に星座を散らすと、みえた気がした
音に騙されず言葉を睨むと、聞こえた気がした
ページを捲り頷いていくと、近づいた気がした
気づいたことは、屑で未熟で不恰好な私の詩に
死んだ文字が、死んだ言葉が、
死んだ心が、死んだ思念が、
少しずつ羽根を形成していく
それはまるで、不死鳥のようだ

いいなと思ったら応援しよう!