誰かを救えたかといえばそんなことはない
自分を大切にしたかといえばそれも違う
たがために生きたような
わがままに生きたような
この胸の痛みを綿毛にして飛ばせば
誰かがそれを夢や希望だというような
振り返った道にはただ白く雪が降り積もり
まだ遠き春の訪れに雷が怯え威嚇するような
だから文字にして残そうとするのか
それとも、だから誰かの中に残ろうとするのか
あるいは、文字の方が気を遣ってくれたのか
それでも、心について説明などできないのか
どうであれ私は私を生きていくのだ
生きた私が私であって、それ以外にはない
了