エッセイ 「All that you can't leave behind」
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コロナ禍も一年半が過ぎ、未だに
収束しない状況が続いております。
先日、姉達が実家の断捨離をした際
祖父の軍隊手帖を発見してくれました。
古びた手帖と引揚証明書には
「昭和二十五年、シベリアから帰還の際、船中でマラリアに羅患」
と記載してありました。
戦争が終わって、なお5年もの間、
帰って来れなかった祖父
身を案じて待つ祖母
どんな心境だったのか想像に難くない。
当時のご先祖達は時の運命に翻弄され
それでもなお、焼け野原だった日本を
今ある形まで築き上げようと
未来を夢見ていたのだろうと思います。
精一杯生き、そして果てて逝った
多くの人々を偲びます。
「前を向く気持ちが大切なんだ__」
古びた一冊の手帳に込められた
声なき叱咤激励のメッセージが
時代を越えて届いたかのようです。
" あなたが置き去りに出来ない
この世の全てのいとおしいものへ "