💗「優しさ」についての考え方 【BOOK 愛という名の孤独/フランソワーズ・サガン】
愛という名の孤独
フランソワーズ・サガン
新潮文庫
◇どんな人でも「優しい心」を持っていると思います。
どんな人に対しても、その存在を信じていたいと思っています。
心にもないことをしている人を見ても、
何かが「優しい心」に暗い影を落としてしまっているのだろう、
いつか日差しが差し込むきっかけに出会えるといいな、とそう思うのです。
でも、幼い頃からの癖のようなこの考え方は時に私の心を苦しめます。
それは私の優しい心も陰ってしまっているからなのでしょうか。
どうしても、優しさに欠ける行為を受け止められない時があるのです。
そんなときは相手の行為に必要以上に悲しみ、
そして、それを許すことのできない優しくない自分の心に落ち込んでしまいます。
最近こんな言葉に出会いました。
人を踏みにじるような人間の底に、実は優しい、傷ついた心が潜んでいるなんて言わないでください。
人間はその人の行動以外の何物でもありません。
(フランソワーズ・サガン「愛という名の孤独」)
とても強い言葉です。
この言葉は私に大きな気付きを与えました。
全てを受け止める「優しい心」を守るためには、自分にとって「優しい行動」をしてくれる人と過ごすべきなのかもしれません。
隣にいる人の「優しい心」の存在を無条件に信じるのではなく、
「優しい行動」をしてくれる人の隣を自ら選ぶべきなのです。
それは自分の「優しい心」のために。
もちろん、これからも変わらず、行為のそのずっと奥にある「心」を信じる人でありたいと思います。
でも、そのためには自分自身の「優しい心」を育むことをやめてはいけません。
その一番の栄養は誰かの「優しい心」に触れることなのです。
人の「優しい心」ではなく、「優しい行動」を信じること。
サガンの言葉は、今までの私になかった新しい「優しさ」についての考え方を教えてくれました。
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