見出し画像

【日記】9月6日〜9月12日

9月6日
またまた涼しい日。
アウトレットサイトの出荷量が過去最多になる。さらに物量が増えてきたので慌ただしい月曜日が復活。月曜日から疲れてしまう。
が、帰りにいつも乗る電車が遅延しているので振替輸送の私鉄に乗って帰る。

夜、先日面接試験を受けた会社から連絡があり採用通知をいただいた。突然の展開にビビる。

9月7日
朝から人事の方や上司に採用通知が来たことを報告して、退職についての話し合いをする。胃がキリキリ痛い。
元々6月の頭に"8月いっぱいで退職したい"という意向を伝えたところ「ならば、次の仕事が決まるまでは会社に留まってもらって、仕事が決まったらいつ退職してもらっても構わない」という話になっていた。なので新しい勤務先の意向を交えつつ話し合いをした結果、急な話ではあるけれど今月の締め日となる9月10日をもって退職させていただくことになった。

気がつけば入社から6年半。コロナ禍になるまでの約5年間、ライヴハウスへ思いのままに行けたのはこの会社のおかげでもあり、特に恵比寿という場所のおかげでもあった。
ただ少人数でまわしている部署ゆえに人間関係で悩むことがとても多く、特にコロナ禍になってからは気ままに話せる知人たちと会うことも全くなくなり、仕事のストレスがひたすら積み重なるばかりで心のバランスを上手く取れなくなってしまった。得体の知れないプレッシャーのせいかタイムカードを持つ手がブルブル震える、といったこともあった。

「今日も一日無事に終わりますように」

朝から呪文を唱えるように何度もそう思いながら毎日毎日緊張感に包まれた生活を送っているうちに精神的な限界を感じるようになっていた。勿論それ以外にも退職する理由はあるけれど、ここには書かない。

夜、奥田民生「ツアー"29-30"」DVDを見る。自分は昔から人生における節目の時期がやって来るとなぜかOTが聴きたくなるらしい。

9月8日
分厚いコートやニットに翻弄される日になる。あっという間に箱がいっぱいになる店もあり。
仕事の合間に"上層部"の方から、
「長い間ありがとうございました。良かったね」
と早速声をかけていただいて恐縮する。

9月9日
朝から赤帽の軽トラが大量のニットを届けに来る。さらに値札のないバッグに値札を取り付ける。
昼休みに退職届を提出する。その直後に新しい勤務先から連絡が来て、来週の木曜日から働くことが正式に決まった。

帰宅してから入社手続きをする。スマホで。
今まで手書きだったものがオンラインでパッパカパッパカ出来てしまうことに少々当惑するアナログ人間の自分。

9月10日
6年半勤めた会社での最終日。
最後を飾るにふさわしい多忙な日になる。忙しいおかげで無駄なことを考える暇がなくて良かった。
と言いつつ、仕事の合間に挨拶したりいつも検品に来ている生産部の方から声をかけてもらったり餞別として大量のジュースや何故か"ペヤング獄激辛焼きそばニンニク味"をふたつもいただいたり。最後は上司からの、
「新しい会社が辛かったらいつでも連絡してね。ウチは出戻り可能だから。んじゃ、またねー」
というスーダラな言葉や先輩からの、
「何だか色々とごめんね」
といった言葉で6年半の日々は締め括られた。

思えば入社した時、自分はギリギリ20代だった。それから30代の半分以上を過ごした恵比寿での日々をこの先ふと懐かしく思い出すこともあるのだろう。でも今は終わってホッとした、というのが正直なところ。

帰りにスマホを開くと某ライヴハウスの店主が「今日(のイベント)はお客様ゼロ人でスタートしました」とtwitterでつぶやいているのを見かけて憤る。理由はどうあれ、わざわざそんなことをツイートしないでほしい。そのツイートを出演しているアーティストさんが目にして嫌な気持ちになったら、とは考えないのだろうか。

夜、ユニコーン「ツアー1993"4946"ファイナル」DVDを見る。

9月11日
というわけで今日から5日間の休暇。
起き抜けに三角コーナーにあった水分を含んでヌチャッとした正露丸を思わず摘んでしまいそれからずっと正露丸臭に包まれて過ごすことになってヘコむ。

午後、金木犀の香りに誘われて長めの散歩に出る。少々蒸し暑いけれど、ときおり優しく吹いてくる風はもはや秋の香り。一年でいちばん好きな時期はもうすぐだ。

9月12日
朝から電車に乗る。新しい勤務先は駅からやや離れた場所にあるので"少しでも早く着けるルートはないものか"と思い、実際に現地へ行きあれこれ歩いてみることにした。
ルート➀は車の少ない住宅街がメイン。10分で着く。ただし、アップダウンがかなり激しい。
ルート➁は街道に沿った道のり。途中に少し時間のかかる信号があるので駅から約15分。こちらは真っ直ぐな道が殆どでアップダウンは少なめ。どちらにせよ雨や風が強い日は結構シンドそう。颱風や雪の日はどうなるんだろうと心配になる。
歩くのは好きだけど毎日のことを考えると仕事に慣れてきたら駅から自転車に乗って行く、というのも選択肢の一つだ。とりあえず初日は脚に負担の少ないルート➁で行くことにする。

下見を終えて電車に乗ってもう一つ先の駅まで行き買い物をする。途中、古本屋でさくらももこさんの文庫本を買う。

帰宅してから床に出しっぱなしになっていたDVDボックスを片付けようと手に取ると外箱の一部がボコっと酷く潰れているのを発見。あまりの惨状に思わず、
「ぎええーっ。なんでだー!?」
とパニックになる。が、変なところに出しっぱなしにしていたから夜中寝ぼけ眼で電気も点けずにトイレへ行った際に踏んづけたとしか考えられない。ボックスの近くには携帯電話、ウォークマン、ポータブルレコードプレーヤーなどの電源ケーブルを繋いでいるマルチタップがあって、寝ぼけた自分は暗闇でそれを踏んづけたと認識したのか。とにかく自分自身を怒鳴りつける。そしてへこむ。

群ようこ「きもの365日」を読む。恥ずかしながらきものには全く明るくないので巻末の用語集を拾いながら読んでも正直ちんぷんかんぷん。日記本として読めばとても読みごたえがあって面白い。読み進めるうちに"きものってレコードと似てるな"と思う。扱いの難しさ、一度踏み入れたらなかなか抜け出せない奥深さ、とか。
ところで群さんを描いたイラストがいくつか載っているのだけど、群さんよりも"おかずクラブ"のオカリナさんにそっくりなのが可笑しかった。

#日記  #エッセイ #仕事 #転職 #採用 #退職 #ストレス #緊張 #震え #本 #人生 #別れ #ライヴハウス #音楽 #怒り #金木犀 #散歩 #季節 #秋 #通勤路 #パニック