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選べない中華料理たち
外食する時の選択肢として
最も安定感のある選択が「中華料理」だ。
まず第一に、値段が安い。
大体の定食メニューを500円〜700円程度で食べることができるし、バリエーションも豊富。また、街のそこかしこに店舗があるため、近くで店が見つけられず困ることが少ない。
さらに言えば、街中華のほとんどが大抵美味い。家庭で手軽に作ったものより、数倍美味しく仕上がっている。
本場さながらの味だからなのか、火力の問題なのかは分からないが、あの店の雰囲気の中で食べる、ぱっと見では雑に盛り付けされたとしか思えない中華料理は至高の美味しさを秘めているのだ。
ただ、そんな無敵の「中華料理」にも
一つだけ問題があった。
それは、店に入ってからでさえ
どの料理を食べようか迷ってしまうこと。
大抵、中華を食べたいと思い立ったときは「特定の料理が食べたい」というよりかは「何でも良いから中華を食べたい」と思っている場合が多い。
したがって、店の中に入ったは良いものの、まだ頭の中で整理がついていない状態で、中華料理屋特有の色鮮やかなメニュー表を眺めながら、必死で思考を張り巡らせる瞬間が必ずと言っていいほど訪れるのだ。
そんな訳で、いつも特に頭を悩ませてくる中華料理の精鋭たちをいくつか紹介しようと思う。
麻婆豆腐
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自炊を始めるにあたって
一番最初に作ったのが麻婆豆腐だった。
その時はもはや麻婆豆腐職人になりたいと思っていた。
それほど大好物である麻婆豆腐なのだけど
中華料理屋で食べる麻婆豆腐は別格。
そもそも主食材が「豆腐」であるにも関わらず、これほどまで胃を満足させられる時点で最強なのではないだろうか。あと、個人的に麻婆豆腐は辛ければ辛いほど美味しいと思っている。異論は認める。
回鍋肉
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「肉を鍋に戻す」と言う意味があり、キャベツとピーマンがかつてない輝きを放つことで知られる回鍋肉。
中華料理においてはメジャーであり
ほとんどの街中華のメニューに存在している。
そして何よりも、白ごはんがとてつもないスピードで無くなる。
甜麺醤の甘みと豆板醤の辛味が絶妙に配合された味付けは、あっという間にお茶碗を空にさせる魔力があるのだ。
ちなみに家で作ると、大抵キャベツを大量に入れすぎて「ほぼキャベツ炒め」になることが多い。自分だけかもしれないが。
青椒肉絲
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ピーマンを美味しく食べられる料理ランキング(自分調べ)で「ピーマンの肉詰め」に次いで第二位に位置する青椒肉絲。
大人になると尚更
ピーマンの苦味がたまらなく美味しく感じる。
見た目的には、どっからどう見てもピーマンの量が多すぎるのだけど、そんなこと頭の片隅にすら浮かばないくらいノンストップで食べ進めることができる。
それに、タケノコの食感がこれまた良い味を出している。この組み合わせを思いついた先人の方には最大級の賛辞を送りたい。
酢豚
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どちらかというと「辛い」「しょっぱい」味付けが多かったこれまでのラインアップとは打って変わって、まろやかな甘みと酸味が特徴の酢豚。
普段はあまり食べたいと思うことは少ないのに、中華料理屋のメニューで見かけると、とたんに食べたい欲が格段に増す。
個人的に、酢豚にパイナップルは必須だと思う。
坦々麺
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数あるラーメンの中でも
中華料理屋に来ると無性に食べたくなるのが坦々麺。
むしろ、ラーメン屋より中華料理屋にいる時の方が頼みたくなる。理由は不明。
これまた自分が辛党なので、辛ければ辛いほど好き。
あと、スープの底に溜まった挽き肉をすくって食べるのがめちゃくちゃ好き。あの瞬間のためだけに坦々麺を頼むまである。
餃子
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中華料理界における大正義である餃子。
そのポテンシャルはもはや中華料理という枠組みを抜け出して、一ジャンルとしての地位を確立しつつある。
これまで前述した料理たちと組み合わせても良し、単体で食べても良し、お酒のお供にしても良しと、八面六臂の大活躍。
ちなみに、自分が初めてビールを美味しいと感じた瞬間は、大学3回生のころ、友達の家で餃子パーティーをした時だった。あの時間に圧倒的感謝。
炒飯
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これまた中華料理屋の定番である炒飯。
「単体で食べるほどでも無いけど、一口は食べたい」と悩んでいる人に対して、ドンピシャの選択肢である「半チャーハン」を考えついた人はもっと褒められていいと思う。
また、シンプルな味付けの炒飯の他にも「キムチ炒飯」や「レタス炒飯」など、いくつもバリエーションがあるのがいい。値段がリーズナブルなのも強み。
しかし、ついこの前、中華料理屋で頼んだ炒飯は、まるで巨大どんぶりを逆さまにしたかのような、明らかに一人前であるはずのない量のご飯が盛られて提供されてきたので、安いからと言って頼むと痛い目を見るかもしれない。
レバニラ炒め
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意外にも頼む確率が多いのがレバニラ炒め。
家で作ることがほとんど無いため
外食時にしか食べられないレア感がある料理。
以前、住んでいた家の近くにある中華料理屋では「もはや焦げているんじゃないか」と思うぐらいの色をしたレバニラ炒めがなぜだか癖になってしまって、来店した際ら必ずと言っていいほど頼んでいた。
それにしても、ニラはお肉と一緒に調理されている時が一番生き生きとしている。これからも二人三脚で頑張って欲しい。
まとめ
ここまで一つ一つ中華料理の魅力を書いてみて、何だか余計に中華料理屋で迷ってしまいそうな気がしてきた。
読んでくれた皆さんには、ぜひとも近所にある中華料理屋さんに入ってメニュー表を眺め、あれでもないこれでもないと吟味しながら、優柔不断を全面に押し出した上で「これだ!」と思う料理を選んで欲しい。
ちなみに、今日食べた中華料理はエビチリだった。
そういう日もある。