はたらくおとな向け 今週のビジネス雑談 10月5日〜9日
はたらくおとな向け、「今日こんなことあった日らしいですよ〜」
ちょっとビジネス寄りの雑談の導入に使えるネタを1日に一つに絞って書いています。
→部分は、参考トークです。
10月5日(月) 日本の時刻表はしばらく売れなかった…
明治27年(1894年)日本初の月刊時刻表『汽車汽船旅行案内』が刊行された日です。
日本で最初の鉄道が開通したのが明治5年(1872年)ですから、実に20年近く、各路線を網羅する時刻表がなかったことになります。
「日本の時刻表の父」と言われる手塚猛昌が、慶應義塾出身で、福沢諭吉からイギリスには国内の鉄道の時刻表をまとめた月刊紙があることを聞き、刊行を思い立った、というのが経緯だそうです。
しかし、売れ行きは振るわず、手塚は他の会社で奉公しながら編集作業をすることを数年間続けたそうです。
やがて、鉄道網が急速に全国に普及すると時刻表の販売も急速に伸び、競合2社も参入。大正14年(1915年)に鉄道院の仲介によって3社は合併し手塚が社長に就任しました。
→今日は時刻表記念日だそうです。時刻表で列車の時刻を調べるというのはもう何年もしていませんが、いかがですか?
ピーク時の1986年には200万部売れていたそうです。今は、100分の1以下の8万部程度だそうです。出版不況のため、月刊誌で8万部というのは実はすごいことだそうです。
雑誌で言うと、週刊誌になりますが、東洋経済の販売部数が同じ8万部程度だそうです。
これだけネットでの乗り換え案内が普及している中で千円以上する時刻表が毎月8万部売れているのは不思議ですね。
なんでもネット、という流れですが、それに逆行するところにも意外と大きなマーケットがあるのかもしれません。御社でもそういった商品やマーケットございますか?
10月6日(火) 「すぐやる課」は50周年。
昭和44年(1969年)松戸市役所に「すぐやる課」が発足した日です。昨年で50周年ですね。記念行事もあったようです。
発足の経緯は、当時の松戸市では人口が急増(昭和37年に10万人、44年には23万人)するのに対して、道路や上下水道などの整備が追いつかない状況で、市民の声にすばやく対応し、同時に行政を市民に身近で分かりやすいものにしようと設置されたそうです。
松戸市でできた後、同じような組織を発足させる自治体が相次ぎました。
言葉だけは聞いたことがありましたが、実際の業務は、スズメバチ等の駆除、道路上で危険となる放置物の撤去、道路の簡易な修繕等とのことです。
→今日は昭和44年に千葉県の松戸市役所内に「すぐやる課」ができた日だそうです。インパクトのある名前ですよね。なんと現在もあるそうです。
「すぐやらなければならないもので、すぐやり得るものは、すぐにやります」が理念だそうです。
組織の名前って大事ですね。「すぐやる課」と付けられたら、たらい回しはできないでしょうね。
御社でも部署の名前ってそう言ったことを意識されてらっしゃいますでしょうか?
10月7日(水) バーコードは最初、丸かった!?
1952年(昭和27年)、アメリカで「バーコード」の特許が認められました。
ずいぶん昔に考案されていたんですね。その時は丸、でした。
実用化は、1967年、大手スーパーマーケットでレジとスキャナーによる自動チェッキングシステムが導入されましたが、商品ごとに番号を割り振り、バーコードを貼っていたそうです。
チェーンごとに管理するのは不合理なため、1970年には米国食品チェーン協会が共通食品コードを、1973年には共通商品コードが作成され普及していったそうです。
日本では、1972年に初めてダイエーと三越でテストされたものの、大手電気メーカーがそれぞれにコードを制定、自分が標準規格になることを主張したため、本格普及には至らず(レジメーカーごとに規格が異なるため食品メーカーもバーコードを入れられず、小売りが自らシールを貼る手間がかかるため)、当時の通産省の指導で共通化の調整が行われて、1976年に米国の規格を参考に統一されたのですが、今度は、メーカーの印刷等の負担が大きく普及しませんでした。
1984年、セブンイレブンが本格的なPOSシステムを導入し、商品納入業者のすべてにバーコードを印刷することを求め、当時2,000店舗を持っていたことから、各社が対応を進めたことで普及することとなりました。
ところで、バーコードって、どうやって決めているかご存知ですか?国とメーカーにコードが割り当てられていることはよく知られていますが、一体誰が管理しているのか?
調べてみましたら、財団法人流通システム開発センターというところが管理しているそうです。ここに申請したいメーカーは申し出て、承認されるとメーカーコードがもらえ、1つのメーカーコードで999商品の登録ができ、重複しないための管理はメーカーに責任があるそうです。そのコードを流通コードセンターが管理するデータベースに登録することで、小売店でスキャンするとその商品の情報が呼び出される、という仕組みになっています。
ちなみに、登録する費用はメーカーの売上高で決まるそうで、1億円未満は初期手数料ゼロ、3年分の登録管理料が1万円だそうです。
→今日はバーコードの日だそうです。1950年代には発明されていたそうですが、全部の商品にバーコードがないと機能しませんから、普及までには様々な苦労があったそうです。
当初はメーカーもバーコードを入れるためにコストがかかることから難色を示していましたが、あのセブンイレブンがPOSを導入するから、納品する業者にバーコード表示の要請をしたことで一気に普及したそうです。今であれば、もしかしたら優越的地位の濫用では?なんて騒ぎになっていたかもしれませんね。
最近では、書類などにバーコードやQRコードをつけて記入方法が見れたり、事務管理の省力化に活用したりしているそうですが、御社でも活用されていますか?
10月8日(木) コンビニATM普及はしたけれど…
1999年(平成11年)のこの日、イーネットが日本で初めてコンビニエンスストアに銀行共同ATMを設置したということで、コンビニATMの日となっています。
あれ?セブンは?とお思いかもしれませんが、セブン銀行のATMが設置されたのは2001年(平成13年)の5月15日です。
このイーネットという会社、ご存知でしたでしょうか?
このロゴはコンビニATMで目にしているのではないでしょうか?
今や提携銀行は100を超え、設置ATM台数も1万2千台を超えています。
特徴的なのは株主で、システム会社はIBMだけで、60近い銀行が株主に名を連ねていることです。銀行が個別にコンビニにATMを置くのは不効率&現実的ではないためにできた会社と言えます。
直近の売上は266億円、純利益は4億円弱です。
キャッシュレス決済の普及とコスト高で銀行側ではATMの提携先を増やすことで利便性は落とさずに削減を始めていますし、コンビニもイーネットに流れていた収益を取り込もうと銀行を設立して独自のATMを設置する動きも出てきており、イーネットも今後が注目されます。
一方で、セブン銀行は一部の証券会社や銀行で店頭での現金取り扱いをなくし、店内のATMで入出金を行うこととし、そのATMの運営をセブン銀行に委託するという動きもあり、新たな収益機会になるかもしれません。
→今日はコンビニATMの日だそうです。今ではあたりまえにあるものですが、初めて設置されたのが1999年と20年ほど前なんですね。セブン銀行がATMの手数料だけで収益が上がるのか?と不安視されてスタートしたところ、急成長しましたが、多くのコンビニの運営をしているのは、60近くの銀行が株主になっているイーネットというATM運営会社だそうです。今やインフラですので、安定的な収益を上げているようですが、キャッシュレスで現金を扱わなくなると厳しくなりますね。
御社でももう現金を扱うことはなくなりましたか?
10月9日(金) 塾は1兆円産業!
1988年(昭和63年)語呂合わせから全国学習塾協会が制定した「塾の日」です。
塾、少子化で厳しいかと思いきや、売上はここ1兆円弱で10年微増しています。これは、一人当たりに学習塾費が増加していることによるものです。リーマンショック前の2006年を100とすると、2018年には110と1割増えています。
加えて、実績を誇る大手事業者のシェアが高まり、大手16社のシェアや今や25%を超えています。
一方で、コスト構造はその大部分を占める人件費が上昇傾向で、利益率は低下する傾向にあります。
三井住友銀行のレポートが非常に分かりやすかったので、ご興味があればご覧ください。
→今日は塾の日、とのことです。語呂合わせですね。
少子化で大変かと思いきや、一人当たりにかける教育費の増加で売上自体はリーマンショック後、微増で推移していて、ほぼ1兆円産業だそうです。小学校からの英語教育や、私立中学受験の過熱なので市場はこれからも微増傾向が続くかもしれませんね。
一方で、2035年には2018年比で高校生までの人口は約2割も減少すると見込まれています。
子供が減る、ということは、その流れは時間を置かずそのまま大人のマーケットが減る、ということになります。
御社では人口減に対する対策は何かお考えでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
今週は何の日シリーズ(と勝手に読んでいます)も8月24日から初めて6週目になりました。
これ、ほぼ半日仕事なのですが、全く縁のない業界やそのビジネスモデル、歴史を知る機会になっていて、毎回「へぇ〜」の連続です(おかげであちこち寄り道して余計時間かかります笑)。
今週もバーコードの歴史や普及したきっかけとか、すぐやる課で組織の名前の役割についてとか、バーコードにも、イーネットにもIBMが関係しているとか、そんなこんなでいろんな気づきが得られました。
徐々にスキしていただく数も少しづつ増えているので(ありがとうございます!)、そこも支えにしてもう少し頑張ってまとめていこうと思います。
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