1月7日 爪切りで6割のシェアを持つのはアノ会社
今日は何の日?をビジネス視点で掘り下げ「頭の体操ネタ」にしています。 今日の「頭の体操」用質問例はこちら。
→爪切りという商材で市場シェアを確保する、収益を確保するにはどのような戦略が考えられるだろうか?
新年になって初めて爪を切る日、「爪切りの日」とされています。
七草を浸した水に爪をつけ、柔かくして切ると、その年は風邪をひかないと言われています。
さて、7日といえば、七草粥の日、でしょうが、ここでは「爪切りの日」を取り上げます。そんな日あったんだ、というところですが…
「爪切り」の市場規模、裏付けが確認できるデータがありませんでしたが、貝印が日本の爪切り市場の約60%を占めいているそうです。なんと、OEMで提供しているものも合わせると、399種類、810万個もの爪切りを製造、提供しているそうです(2019年5月貝印調べ)。
もともと剃刀ではじまった貝印が、爪切りに参入したのは1959年。改良を重ね1989年に今の爪切りの原型「ニュースタンダードツメキリ」が登場し以降、高いシェアを誇るのだそうです。
さて、爪切り。価格以外にどのような差別化が考えられるでしょうか?
すぐに思いつくのは「機能性」。高機能爪切りというと切れ味だけ考えますが、「使いやすさ」という方向で、1万円もする爪切りを開発、販売しています。
あとは、「デザイン」。こちらは小さくスリムにしたものです。
ここまでは貝印さんの製品でしたが、爪切りで検索すると出てくる、「SUWADA」というブランドもご紹介します。
燕三条エリアにある会社で、高いものは1万8千円もするニッパー型の爪切り。これは海外でも売れているそうです。
なんと同社の工場は見学できるようになっているのですが非常にスタイリッシュです。感染症前は年間3万人もの見学者が来ていたそうです。
小さいものなので手間の割には値段を低く設定せざるを得なかったところ、職人と相談し、こだわって作った分のコストを反映したら7,000円にもなってしまったそうです。どこの問屋も店も取り扱ってくれないところ、全国に営業し、やっと置くだけなら、ということで置いてもらったお店で、ある有名俳優が購入したことで注文が入るようになった、という嘘のような話です。
他にも工場をおしゃれに改装した経緯なども面白いのでご興味があればこちらの社長のインタビューをご覧ください(フリスクなんです、それも面白いです)。
さて、1つ目がこうした高機能路線だとすると、2つ目は、海外展開です。
また貝印さんの例に戻ってしまうのですが、同社はインドでも爪切りをヒットさせます。その要因はインドの「手食文化」と衛生への意識の高まりと自社の強みをうまく製品に反映したことです。
手で食事するので、爪が伸びていることで不衛生になるという懸念を爪切りで解決(そこは、貝印さんの切れ味の良い爪切りで差別化)、爪切り飛び散り防止ケースで、切った爪が食事に入る懸念も解決、そして、インド仕様として「爪の間の汚れをとるピック」を付けたこと、この3つでヒットしたのです。
日本マーケティングリテラシー協会でも事例として取り上げられていますのでご興味があればご覧ください。
→売上を増やすには「高機能化」「海外展開」が考えられるが、自社の事業で考えられることは何だろうか?
最後までお読みいただきありがとうございます。 過去の投稿は以下にまとめていますので頭の体操ネタに覗いていただければ幸いです。