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読書

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目指せ!積読本ゼロ✨ 積読本の山だらけなのに、読みたい本をついついお迎えしてしまいます。
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北村薫 著 『遠い唇』の読書感想文

北村薫 著 『遠い唇』の読書感想文

何とこれ、カドフェス2020の帯が付いていたので、4年間も積んでいたことになります。

その当時はワクワクしながら、お迎えしたのでしょうに不甲斐ないことこの上ない。

そんな思いで読み始めましたが、作品に関係する関連本は『八月の六日間』しか読んでいなくて他の2冊も読んでみたくなる、彩り豊かで贅沢な7篇でした。

積みすぎた本を整理するために手に取りましたが、いつでも気軽に持ち歩ける薄さだし、これは

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『ふたつの星とタイムマシン』『タイムマシンでは行けない明日』の読書感想文

『ふたつの星とタイムマシン』『タイムマシンでは行けない明日』の読書感想文

初読みの畑野智美さんの二つの作品。

『ふたつの星とタイムマシン』の方は、SFよりは恋愛モノの短編集で、『タイムマシンでは行けない明日』の方は、短編集と繋がりのあるお話でした。

タイムマシンものと言えば、時間を移動した先で、思いがけずに歴史を変えることによって微妙に辻褄が合わなくなったりという流れになるのがお約束ですが、この話に出てくる主人公は読んでいて不憫なくらいに人生が大きく変わってしまうの

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探していた本が届く

探していた本が届く

『終電車ならとっくに行ってしまった』
フジモトマサル 著

この本の存在を知った時には、いくら探してももう手に入れることはできませんでした。

それでも読んでみたくて図書館の蔵書を検索してみるも行きつけの図書館には見当たりませんでした。でも、少し離れたところの図書館に所蔵されていることがわかったので広域の図書カードを作り借りてきて読んだのが今からちょうど2年前のことでした。

想像してた以上に読み

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今日、届いた本たち♪

今日、届いた本たち♪

新潮文庫の新刊で今年生誕100年の安部公房の作品が3冊出ていたので、博多の丸善に見に行きましたが、3冊のうち、この『死に急ぐ鯨たち・もぐら日記』だけが売り切れていたのか並んでいなかったので生協経由で注文していました。
今年話題の『百年の孤独』のこととか、内容的に気になるエッセイです。

気ままに注文していた他の本は以下の通りです。

こちらもエッセイ…。
どちらも読むのが楽しみです。

こちらは、

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新美南吉傑作選

新美南吉傑作選

何となくボーッとしているうちに、先月は一度しか博多に出かけなかったのですが、月を跨いで1日の日曜日に、ふらっと出かけてきました。

家にいると、いつでも読めると思っているうちに、ちっとも読書できずにいたのですが、バスに乗れば自然と乗車時間に読めるわけで…。

ここ数年、ものすごい頻度で利用していたhontoが紙の本の通販をやめてしまったので、本の購入冊数はガクッと落ちていました。

少し前に丸善の

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『午后のあくび 3』読書感想文

『午后のあくび 3』読書感想文

このシリーズは1も2も読んでいますが、この3巻で終わると知り、慌てて取り寄せ読んでみました。

これは主人公のあわこさんが住む素敵な町、白玉町のお話です。

1と2を読んだ時にも、白玉町に住んでいる人たちの暮らしぶりに惹かれて、読むほどに癒されましたが今回は自分が今いる環境の違いからなのか、登場するアイテムの一つひとつに愛着が湧いたというか、丁寧に味わえたというか…。

2巻を読んだのは4年前でし

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『マリコ、うまくいくよ』の読書感想文

『マリコ、うまくいくよ』の読書感想文

今年の新潮文庫の100冊の1冊目は、益田ミリの『マリコ、うまくいくよ』です。

20代、30代、40代、それぞれのマリコが日常の中で感じることをマンガで綴ってある作品なのでスラスラと短時間で読めますが、共感することの多い内容でした。

私の30代は丸ごと専業主婦だったので外で働いている30代のマリコの気持ちは想像でしかありません。

それでもその年代なら、そんな風に感じるよね…って見につまされるシ

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新潮文庫の100冊 2024

新潮文庫の100冊 2024

今日から始まった、「新潮文庫の100冊 2024』

新潮文庫の公式サイトは、本日午前11時にオープンしましたが、既にフェアが始まっていた書店もあり
先週の土曜日に書店に行った妹から「もうフェアやってるよ!」と連絡を受けましたが、時間的に博多までは出かけられず、冊子を貰っていた近場の名林堂に行ってみたら、まだフェアはやってなくて、長テーブルの上にはフェアの冊子が乗っていただけ。すぐさま、また愛車を

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『自分の小さな箱から脱出する方法』読書感想文

『自分の小さな箱から脱出する方法』読書感想文

こちらの本は、『僕たちに、もうモノは必要ない。』の本の中で紹介されていたシリーズ本です。

著者はアービンジャー・インスティチュートです。

ストーリー仕立てで進んでいく話は、読めば読むほど、自分にも当てはまることの連続で、呆然とするばかりです。

自分が、ほぼいつも「箱」の中にいることがわかっても、そこからどうやって外に出ればいいのか?

まさに「言うは易し行うは難し」の、例え通りではないのか?

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『神様』の読書感想文

『神様』の読書感想文

『神様』が川上弘美のデビュー作と知り、読んでみたくて積んでいた本。

想像していた話とはかけ離れているファンタジー色の濃いお話でしたが、とても好みだった。

ラストの『草上の昼食』で、再びクマが登場したことが嬉しかったのに、どこまでも切なくて、ひどくしんみりした。

『夏休み』に出てきた「小さなもの」も愛おしかったし、不思議な話が多かった。

だけど、『離さない』は、少し怖かった。
こんなものに出

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『ミトンとふびん』読書感想文

『ミトンとふびん』読書感想文

吉本ばななさんの『ミトンとふびん』
図書館で偶然見つけて借りた本です。

どの作品も悲しいお話の短編集でしたが、不思議と読後は悲しみよりも安らぎを感じました。

読んでいくうちに自然と心が癒されるような、そんな気分が味わえました。

近しい人との別れは辛さもひとしおです。

祖母を亡くした時には泣いても泣いても悲しみが尽きることはなく、もう普通の日々を過ごしていくことなんてできないのではないかと思

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『耳をすませば』読書感想文

『耳をすませば』読書感想文

『耳をすませば』は、ジブリ映画の中で一番好きな作品です。
実写映画化されるという話を聞いてノベライズ本を買っていたまま積読本の山に埋もれていたのを発掘したのが昨日…。

今日はピアノの調律だったので、調律をして下さっている間に読了しました。

15歳だった2人が25歳になっていて10年前を回想しながら、お話が進んでいきます。

因みに原作のこちらは21年の夏に読みました。

当時、打ち切りになった

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『旅人まんが 鉄道篇』の読書感想文

『旅人まんが 鉄道篇』の読書感想文

ちくま文庫 山田英生 編の『旅人まんが鉄道篇』

松本零士さんの『銀河鉄道の夜』を目当てに買ってみた本です。
原作は宮沢賢治ですが、999を思わせるようなロマン溢れる作品でした。

『銀河鉄道999』と言えば、ゴダイゴの歌を思い浮かべて下さる方も多いと思いますが、松本零士さんもゴダイゴも好きな私にとって大好きな作品です。

『旅人まんが』は、3部形式で色んな旅が描かれていました。
表紙のイラストも

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『ねぇ、ママ』の読書感想文

『ねぇ、ママ』の読書感想文

大好きな『繕い裁つ人』の池辺葵さんの作品です。

感想を書くと、どうしてもネタバレを含んでしまうので、未読で読みたいと思っていらっしゃる方はスルーして下さいませ。

母をモチーフにした短編集ですが、最初の『きらきらと雨』は、登場する母親の気持ちが手に取るようにわかって、涙なしでは読めませんでした。

息子が就職で実家を出て行く前日の夜ご飯のために朝から息子にも早く帰るように…と伝えて、奮発してご馳

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