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鬼太郎のおとうさん。

即席みそ汁を漁る。

お碗にだし入りみそをネリネリとしぼり出し、
『具』をいれると乾燥ネギが
静電気で袋や指にはりついた。

ネギが、親指からはなれないことに
イラっとして無理やり出すから、
ネギが粉々になる。

それがイヤでわたしはネギをさけ、
豆腐やお麩ばかりにしてしまうから
大袋に残った具の種類は、ネギばかりになった。

やっとお湯をそそぎ、お椀を見ていたら
ふいに鬼太郎のおとうさんのことを思う。

そう。前髪で片目を隠す妖怪ゲゲゲの鬼太郎の父こと目玉のおやじだ。

ふいに鬼太郎のおとうさんの目玉のおやじは、「みそ汁を飲むのだろうか?」と考える。

飲むときは、お椀に入って、
もっと小っちゃいお椀で飲むのだろうか?

おやじだから健康を気にして、
減塩をえらぶのだろうか?

気になったら、眠れなくなって、ちょっと検索。

Yahoo!知恵袋でマッチングした。
どうやら、おなじように疑問に思った人がいたらしい。


目玉のおやじはごはんを食べますか?
Yahoo!知恵袋より


直接食べてる描写はありませんが、好物はカエルの目玉だそうです。
Yahoo!知恵袋より



「へー」食べるんだ。

そのまま食べるのだろうか?さしみ醤油でいっとく?ワサビ?え、でも、ちっこいからサビ抜き?

カエルの目玉は、ごはんには合いそうにもない。どう考えてもツマミとしか思えない。
ツマミにはやはりウマい地酒だろうか。

そんなことをつらつら考えていると、こんなシーンが浮かんでくる。



翌朝、二日酔いのおやじを気づかい、
鬼太郎は、コンビニでシジミ汁を買ってきた。
父を起こさぬようにちゃぶ台に置手紙とともにそっと置く。

置手紙にはこう書いてある。

「父さん、おはようございます。ボクは倉庫バイトにいきます。
シジミ汁、お湯をそそいで飲んでください。からだに障りますから、あまり深酒しないでください。では、いってきます」

追伸:今日資源ゴミの日です。月一の紙ゴミです。
妖怪ポストにたまったダイレクトメール、ビニール紐で縛っておいたので、
わすれずに出してください。



                                鬼

「ん、二日酔い?」

平成の初め頃、「名前ねぇ~」とつぶやいた
胃薬のCMを思い出す。

あの緑の顆粒は、どこのだったっけ? 

セリフの女優さんなんて名前だったっけ?

「んー・・・」

いつもの悪いクセ

真夜中に布団にくるまり親指だけ動かす。
みそを練りだす感触と似たものを感じつつ、今宵もまた眠れない。



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