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何者にもなれていない私を救ったもの

先日、訳も分からず涙が止まらなくなる1日があった。そのときのことを、ただただ記録として残しておきたいので、ここに書くことにする。

私はずっと、誰かになりたいと無自覚に感じていた。幼い頃は、姉のように生きたくて、習字が上手な友だちになりたくて、好きなものを好きと自慢げに言えるあの子になりたくて。

学生時代は、どこに行っても明るいあの子になりたくて、物事を俯瞰して見ているこの子になりたくて。

社会人になれば、子どもたちから好かれるあの先生になりたくて、好きを仕事にしているあの人になりたくて、大切な人と家族となって生きているあの人にもなりたくて。

でも、自分を見てみると、組織の問題に悶々としながらも人目を気にして声を上げず、いろんな場面で仮面をかぶっているように感じ「ありのまま」という意味が本当に本当に理解できなくて。妻とも母とも名乗れない30歳。

そんな、何かになりたいのに「何者にもなれていない自分」と社会からの孤立、孤独を感じたこの1年。

突然涙があふれ出た日の次の朝、目をパンパンにしながら、ようやく気がついた。私には私がいる。これまで悩みながらも学び続けたいと進んできた私がいる。だったら、私は私を生きたらいいのか。

「何者にもなれていない」と思い込んでいた私を救ったのは、これまで踏ん張ってきた「私」と、これから未来を生きる「私」だった。

今なら、浮き沈みしてしまう自分も増えてきたしわも、うんと好きになれそうだ。

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