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【詩】風になる
風が好きなぼくは
いつも風のことを
忘れてしまう
なぜだろう?
なぜだろうか?
好きなら
ちょっとは覚えていても
いいじゃないか
でも、風のことを
忘れてしまうのだ
ぼくは風が好きだ
風の詩人を名乗りたいほど
風が好きだ
でも、どうして
どうしてだろう?
ぼくは気づいた
忘れてしまうほど
普通に
当たり前に
ぼくは風を
感じているのでは
ないだろうか?
もしかすると
ぼくは風なのだ
風は自分のことを
いちいち気にしない
風は吹く
ぼくは溶けていく
風と同化していく
そして風を忘れた
風になったぼくは
みんなにフーッと
吹きつけるから
その心地よさを
感じてもらいたいな
でもね、風であっても
ぼくは人間でもある
風の夢を見ている
人間なのかな?
もし起きたら
身じたくをし、
外に出るだろう
風は吹いている
かもしれない
そして風っていいな
と、思うだろう
でも、家に戻れば
風のことをすっかり
忘れているんだ…