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【詩】椅子の思い

椅子がありました
足が一本
折れてしまいました

(ああ、折れてしまった)

チョウチョが
彼のまわりを
ヒラヒラ
飛んでいます

風が吹くと
草がさわさわゆれ、
ここは
どこなんだろう?

ぼくは
捨てられたのかな?
天国にいるのかな?

ああ、なんだか
殺風景だな

このまま時は
流れていくのかな?

ため息をつくと
吐息がこの世界に
溶けていく

伸びをすると
ぼくは自然の一部かなと
思ったり

独りぼっちを
感じたりも
したけれども

孤独も悪くないな…

でも、そこへ救いが
現れたとしたら

どんな人たち
なんだろう?

ぼくを薪にでもするのかな?
それとも
足をつけてくれるのかな?

いいほうに考えよう!

足をつけて
もらえたら
きっと素敵な
椅子になるのさ!

みんないい人に
ちがいないよ

たとえ夢であっても…

気づいたら
人間になっている

そういう話も悪くない

そしたら椅子を
大切に扱おう!

足が折れたら
直してあげよう!

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