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【詩】舞い上がった鳥

空を撃ち抜くように
あの鳥は舞い上がった

どこかを目指している
ようでもなく
ただ一心に
舞い上がった

その姿は貫こうと
貫こうと
しているかのよう

この鳥を見た者は
口々に言うだろう

ミサイルだ
ロケットだ

誰も鳥だとは
思わなかった

ある子供は
「あれは鳥だよ」
と、ポツリと言った

なぜ、そう思うんだい?

「だってあの鳥が
鳥だって言っていたもの」

大人たちは
その子に聞いた

「あの鳥は何を
しているんだい?」

「舞い上がったんだよ」

鳥はどんどん
昇っていく

ぼくはその鳥が
何をしたかったのだろう?
と思ったけれど、
今となっては
もう誰にもわからない

子供たちなら
わかるかな?
と思ったけれども

「ん〜ん、なんだろう?」

と頭をひねるばかり

ぼくはこの鳥に
思いを寄せた

けれどもどこか
憂うつな気分になった

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