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ストレスマネージメント(続編)

ストレスマネージメントの続編です。
前回の記事は以下のリンクよりご覧ください。

"Why Zebras Don't Get Ulcers" (どうしてシマウマは胃潰瘍にならないの?)の著者であるRobert Sapolsky(神経内分泌学者)が、ストレスマネージメントについて、この本の最後の方でまとめている箇所があったので、メモしておきます。

ストレスマネージメントのキーポイント

解消法を見つけること

  • 祈り、瞑想、ダンス、精神分析、スポーツなど、ストレス緩和に繋がる、自分に合った解消法を見つける。

  • 良質の書物等で、ストレス解消には何が役立つかを学んでみる。
    但し、誇大広告には惑わされないように。

色々行ってみて、「主観的」に効果をチェックして、「自分の感覚」を信じること。

***コメント***
「主観的」であることって、大切なポイントだと思うのだ。「これをすると~~が良くなります」と断言されても、必ずしもそれが万人に通じるわけではないので、人の意見よりも自分の感覚を信じたい。


なかったことにする

人生において、どうすることもできない、予防することも、完治することもできない問題に遭遇した時、問題を「なかったことにする(denial)」ことで、ストレス緩和することができる。「なかったことにする(否定する)」という選択は、やってはいけないことではない。

どうすることもできない大きな問題に遭遇した場合、それを否定しない限り、精神が崩壊してしまうことがある。但し、これはストレスがどうしようもないくらい大きい場合のこと。

ストレスがそこまで大きくない場合においては、望みを持つことが大切。自分を守り、理性的であり、そして望みを持つこと。

***コメント***
カナダの知り合いで「なかったことにする(denial)」ことで、その時の苦しみを超えられた、という人がいた。それはとてもパワフルな体験だったそう。

一般的になんとか対応が可能なストレスに関しては、望みを持つこと。でも、どうしようもない、どうすることもできない強いストレス要因に関しては、「それがなかったことにする」というのは興味深い、人の精神における生きるための戦略なんだろうな。


ストレスマネージメントが上手な人とは

  • 起こったことや過ぎたことを、どうにかしようとしない人。

  • 未来のことで、今どうすることもできないことを、どうにかしようとしない人。

  • 壊れていないものは、なおさなくても良いと知っている人。

  • 修復不可能なものを、どうにかしようとしない人。

  • 以下のような考え方ができる人。
    " 大きなストレスは、ひとつの大きな解決策で対応できるわけではない。いくつかの様々な小さな方法を組み合わせることで、大きなストレスに対応すれば良い" 

***コメント***
 仏教徒はコントロールできない状態の時、リラックスすれば良いと考える。そんな言葉を思い出しました。


予測にも、良し悪しがあることを知る

ストレスは、「この先どうなるのか」を予測できるかどうかによって、その大きさが変わる。予測できた方が、ストレス緩和になる。
但し、予測する場合、以下に気を付けること。

  • それは正確で有効な情報なのか?

  • その予測は、タイムリーなものか?
    何かが起こる2年前にそれを予測できても、あまり効果がない(時間が長すぎる)。何かが起こる2秒前では、役に立たない(時間が短すぎる)。

  • 情報が多すぎることも、問題。情報が多すぎることが更なるストレスになる。

  • 知りたい情報ではなく、悪い情報ばかり入ってくる。

***コメント***
今の社会、情報は溢れてる。WHOが新型コロナウィルスについて、パンデミックではなく、「インフォデミック (infodemic)」が起きていると表現してたけど、infodemicとは、information pandemic の略で、「情報のパンデミック」という意味だった。根拠のない情報の氾濫によって人は大きなストレスにさらされてしまいます。


社会的繋がり、サポートを持つ

信頼、安心でき、サポートし合える社会的繋がりを持ちましょう。

***コメント***
人付き合い得意な人、苦手な人、内向的な人、色々あると思う。ひとりの方が好きっていう人も結構いる。でもきっと、どんなにひとりが好きであっても、人はひとりぼっちでは生きていけないのかもしれない。ひとりの時間を持ちながらも、信頼できる仲間を持つこともきっと可能だと思うから、時々勇気を持って、人に会いに行こう(自分にも言い聞かせている言葉)。


最後に

「ストレス」という言葉を医学用語として初めて使った医師、ハンス・セリエは、 「適応能力」の大切さを語っていた。人は生きている限り、「ストレスがない状態」などあり得ず、(季節、環境、思考など、起こってくることすべてがストレスだから)、その時々の変化に、いかにうまく適応できるかできないかが、その人の健康状態を、決めてしまう。

ストレスに強い人、弱い人、持って生まれた資質や、育った環境により繊細になった人もいると思うけれど、認知レベルでストレスマネージメントを理解し時々思い出すことで、助けになると良いなと、思う。


Reference 


ストレス学説を唱えたハンス・セリエについて、こちらの記事してみました。


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