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『I Love Youの訳し方』作家による100通りの恋愛表現をまとめた1冊。太宰治や谷崎潤一郎、江國香織、島本理生まで!
さて、クイズです。
色々なところで、一度は耳にしたことがある以下のエピソード。
正しいのはどちらでしょう?
① 夏目漱石が、「I love you」を「月が綺麗ですね」と翻訳した
② マリー・アントワネットが、「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」と言った
正解は、「どちらも、本当かどうかはわからない」でした!そう思うと、いまも語り継がれるなんて、よっぽど本人の特徴をとらえているってことね。
「なにこのクソクイズ?出題の仕方が汚い」という方もいるかも。聞こえません。
今回は、100人の作家の作品から抜粋された、100通りの、恋愛についての表現をまとめた1冊『I Love Youの訳し方』をご紹介します。
作家から、現代作家まで!いろいろな恋愛のかたちをのぞける1冊
小説などではないので、印象に残った部分を抜き出して語ったりする類の本ではないかな。なので、わたしが好きだった表現を抜粋しておきます。
過激で直接的なものから、文学的で耽美なものまで。読む人のこれまでの恋愛によって、響く言葉が違うんだろうな、と感じるラインアップでした。ちなみに、著者はライターの方です。
知り合いと、「どれがビビッと来た?」って話すのも面白そう。
あなた様なしには 私の今後の芸術は成り立ちませぬ
もし あなた様と芸術とが両立しなければ
私は喜んで芸術の方を捨ててしまいます
――谷崎潤一郎『根津松子へ宛てた手紙』より
ああ、お前にはね、おれの仕事の間、頭から足のさきまで幸福になっていて貰いたいんだ
――堀辰雄『風立ちぬ』より
こんなの、仕事に生きる相手に言われたら、うれしくてうれしくて。書いていて思いましたが、これ、好きなタイプが透けて見えてしまいますね。
あと、いちばん自分の中の「恋とは」にぴったりだったのは、これ。
本当はただたださわりたくて、キスしたくて、抱きたくて、少しでも近くに行きたくてたまらなくて一方的にでもなんでも、涙が出るほどしたくて、今すぐ、その人とだけ、その人じゃなければ嫌だ。それが恋だった。思い出した
――吉本ばなな『トカゲ』より
ビビッとくる言葉があれば、出展元の作品を読むきっかけにもなりますね。こういう、出会いを取り持ってくれるような本、好き。興味がある方は、ぜひ。
■次はコレ!この本が好きなら、これも好きなはずシリーズ
・『365日の広告コピー』――プレゼントにも最適!日めくりカレンダーのように、365個のコピーが載っている1冊
・『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ――恋愛小説として、世界で読み継がれているベストセラー!島本理生もおすすめした1冊
・『愛するということ』エーリッヒ・フロム――愛という技術を学べる、世界的ベストセラー
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※最近の記事は更新できていないので、近日Update予定です
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