内田百閒 『百鬼園随筆』 新潮文庫
本書は内田百閒の随筆集として最初のものだそうだ。初版は昭和8年10月に三笠書房より刊行されたとある。昭和初期の随筆ブームの先駆けとなった作品らしい。古い作品を読むといつも思うことなのだが、人の考えることというのは多少時代を遡ったところでそれほど変らない。それは『徒然草』(岩波文庫)を読んだときにも感じたし、モンテーニュの『エセー』(岩波文庫)を読んだときにも思った。時代と共にテクノロジーをはじめとして様々な変化が絡み合って生活様式が変容してきたが、新たなテクノロジーを考案する