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読んだ・観た・聴いた

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本や雑誌などを読んで思いついたこと。書評とか感想は上手にまとめる人がたくさんいるので、そういうものはそういう人たちにお任せする。本の内容とは全く関係なく見えることも少なくないが、…
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記事一覧

蛇足2 『すべての、白いものたちの』

白とか命とかの話を読んだら、それを汚すもののことが思い浮かんだ。わざわざ汚い話を書き記さ…

熊本熊
8日前
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蛇足1 『すべての、白いものたちの』

blancとblackは同じ語源であるとのことだが、英語(ゲルマン語系)のblackの語源がフランス語…

熊本熊
9日前
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東直子 『とりつくしま』 ちくま文庫

『広辞苑』を紐解いてみたら、「とりつくしま」という見出し語はない。「とりつく【取り付く】…

熊本熊
11日前
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山川方夫 著 日下三蔵 編 『長くて短い一年 ショートショート集成2』 ちくま文庫

総じて『ショートショート集成1』よりも個々の話が長めになっている。長くても面白ければいい…

熊本熊
2週間前
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山川方夫 著 日下三蔵 編 『箱の中のあなた ショートショート集成1』 ちくま文庫

たまに行くマッサージ店が入居している駅ビルにある書店で購入。ここはいつも何かしらミニ企画…

熊本熊
3週間前
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夏目漱石 『こころ』 新潮文庫

『痴人の愛』とともに手元に残った一冊。 若いなぁ、というのが本書を読んでの感想。漱石は49…

熊本熊
1か月前
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谷崎潤一郎 『痴人の愛』 新潮文庫

先日、知人の藍染の服を着て街を歩いていたら、知人の亜衣ちゃんに出くわした。新潮文庫の「夏の100冊」にある『痴人の愛』を読んでどうのこうのという話をしていた。ちょっと読んでみようかなと思い手にした。 冗談はさておき、本をあまり読まないほうだ。7月に娘とホキ美術館へ行って、帰りに東京駅丸の内側にある丸善に寄った。彼女は毎年夏の文庫販促の一環で店頭に並ぶプレミアムカバーなるものを積極的に買うのだという。その時は、ただ聞き流していた。 先月、勤めの帰りに自宅の最寄駅に電車が着い

手遅れかもしれない 『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』

暑い。9月に入りエアコンをつけずに就寝した夜が2晩だけあったが、もうすぐ彼岸だというのに…

熊本熊
2か月前
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エアコンを買った理由 『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』

2013年5月に今の住まいに越して来てから2023年6月までエアコンがなかった。暑くて眠れない夜と…

熊本熊
2か月前
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デイヴ・グールソン 藤原多伽夫 訳 『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』…

何度かこのnoteの記事で使った人口の長期推移のグラフにアクセスできなくなっていた。2015年版…

熊本熊
2か月前
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ルイス・フロイス著 松田毅一 川崎桃太 訳 『完訳フロイス日本史 大友宗麟篇』 中…

飽きてきた。ここまでで文庫本8冊。残り4冊なので、引き続いて読むつもりではいるのだが、いつ…

熊本熊
3か月前
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桂米朝 『落語と私』 文春文庫

一口に文庫本と言っても版元によってサイズが微妙に異なる。作者毎にまとめて書棚に本を並べて…

熊本熊
4か月前
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蛇足 『ナショナル・ストーリー・プロジェクト 全2巻』

本書は五人の翻訳者が分担し、全体のある程度の統一を柴田元幸が担当しているのだそうだ。その…

熊本熊
4か月前
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ポール・オースター編 柴田元幸 他訳 『ナショナル・ストーリー・プロジェクト 全2巻』 新潮文庫

5月に一週間ほど入院した。入院中に退院予定日の夕方に予約を入れておいたマッサージ店にその後も通うようになった。その店は普段利用している駅の隣の駅の駅ビルにある。ビルと言っても二階建てで、一階がスーパーで二階はマッサージ店のほかに書店や床屋などが入っている。その書店の品揃えが気に入っていて、マッサージに出かける度に何かしか買って帰る。先日ここに上げた『古本屋 タンポポのあけくれ』もそこでたまたま目にとまって購入したものだ。二週間ほど前にはポール・オースターが編集したというこの本