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古本市におでかけして、たくさんの本に出会った話
紙の本が好きだ。
紙のつやつやした質感。
紙のにおい。
1ページごとにペラペラとめくる時の音もいい。
デザインもそれぞれの本の味わいがあって、本を読まなくとも本棚に飾っておくだけで満足できるようなものだってある。表紙自体がアートである。
昨今は電子書籍というツールが登場して、大変便利になっている。音声で聴く本なども登場して、身体や目が不自由な方にもやさしい作りになっている。
しかし私は、今のところは紙の本が好きなのだ。
小学生や中学生の頃、暇さえあればよく本屋さんに行った。自転車をこいで、A書店、B書店とはしごする日も少なくなかった。
私の住んでいる市には、大小さまざまな本屋さんがあったが、私は特に古本屋に行くのが楽しみであった。古本屋さんは、普通の本屋さんとは違った独特なにおいと雰囲気があった。一般の本屋さんで売っていないような昔の雑誌や、マニアックな書籍を発掘するのは宝探しのようでもあった。
「ねぇねぇ、これに行ってみない?」
ある日のこと、夫から声をかけられる。
彼から誘われたのは「古本市」というイベントだった。
当日は、一日限りの小さな本屋さんが集まります。
どの本屋さんも個性たっぷり!
絵本に雑誌、写真集、小説、エッセイ、料理本などなど。
知らなかった面白そうな本に出会ったり、店主さんから、お薦めの本を聞いたり。新しい本と人との出会いは、きっと楽しいはず。
あなたにとって、大切な一冊と出会えるかもしれませんよ。
お気軽に、お立ち寄りください。
ちょうど「ブックカフェ」について、私のnoteの友人が最近話題に出していた。彼女は本の物々交換をしたいと、今は準備にいそしんでいる。
友人が何か参考になればという気持ちと、私の夫も本にまつわるお店やイベントをいつかやってみたいと常々口にしていたので、車で出かけられる距離でもあるし、仕事もお休みの日なので、私たち夫婦は出かけることにした。
古本市が開催されている公園の近くの駐車場に車を停め、とことこと目的地まで歩く。
おお、見えてきた。人が集まっているなぁ。
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私は最初に目にした本屋で、欲しい本があったので、1秒も迷うことなく「これをください」と手に取った。
それは好きな作家のくどうれいんさんの最新作であった。
「それは新しい本ですけどもいいですか?」と尋ねられたが「いいんです」と答える。
古本市と言っても新刊も置いてあるところが多かった。本のセレクトが、一店一店違って、その人の好みがふわぁっとほのかに伝わってくる。
夫がどこにいるかも忘れて、私はお店を渡り歩く。
あ、このひと...私と気が合いそうだなという本屋さんで立ち止まる。私の好きな燃え殻さんや安西水丸さんの本が置いてある。
いくつか本を購入した。すると彼女は「ブックカバーをおつけしましょうか?」と聞いてくれた。
無料でデザインしたブックカバーをつけてくれるとの事。早速お願いした。
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本屋さんの他にも、ご自由にお持ちくださいのコーナーと本の物々交換のコーナーもあった。
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お菓子を売っているお店があって、甘いもの好きな私は紅茶のスコーンを購入した。
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買った本をベンチで読む人がいる。
親子でベビーカーで来て、子供は公園で自由に遊んでいる。
壮年の男性たちが静かに熱く、本について店主と語っている。
若い店主と知り合いの若者たちが「来ちゃったよー」と再会を喜んでいる。
1人で来た女性が黙々と本を選んでいる。
ギターで弾き語りをする男の子たちがいる。
夫は「いいなぁ、こういうことをやってみたいよね。でも、残念ながらさっき聞いたんだけども、ここでの今回のイベントはこれで終わりなんだって。主催者の人が引っ越してしまうらしいよ」と話していた。
そうか、最後なんだなぁ。それは残念であるが、きっとまたどこかでイベントは行われるのであろう。
谷根千でどうやら有名な古本市があるらしい。
そこにも行ってみたいねと夫と話した。
おなかが空いたので、近くのカフェでご飯を食べた。私は戦利品の本をずらっと机に並べてホクホクしていた。
写真の右上の本は娘にプレゼントしようと思って購入した。絵柄が気に入ると思ったのだ。
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私はこのご飯の炊き方の本が気になった。
ご飯の炊き方で一冊分なのか?!と開くと、後半は伝統的な和食のレシピも載っていた。お得な気分になった。おいしいものを作ってみたいなぁ。
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ランチはすごく良くて、特にこの黒酢がかかったお野菜たちが大きく、ごろごろと主張していたのが良かった。筍が旬の味だなと思った。
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昔より本が売れないという話も聞く。
有名な大型書店でも店をたたんでしまったというニュースを聞くと少しさみしくなる。
けれども、まだまだこのように本を間にはさんで、人と人とが繋がる場所があるのだなと思う。
本は過去と出会う。
他者と出会う。
世界と出会う。
想像力と出会い
これからの可能性とも出会えるものだ。
出会った本を少しずつ読んでいきたい。
そしてこれから本に関するイベントをする人たちに私はエールを送りたいと願っている。
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