がんと不妊治療
こんばんは(^^)クマです!
今日はがんと不妊治療についてお話していきます。
私の身近な方にがんを克服し、不妊治療をしている方がいます。もちろん患者様の中にも何人かいらっしゃいます。
がんを患った方は妊娠や出産を諦めてしまう方が多いと思います。
しかしこの記事で、がんを患ったことがあっても妊娠や出産は可能なんだと希望を持ってもらえたら嬉しいです!
◎がん治療と妊娠
近年、医学の進歩によりがんの治療成績は向上しています。
しかし、化学療法や放射線療法には副作用があり、性腺毒性というものが報告されています。
性腺毒性とは性腺機能不全になってしまうことです。性腺機能が低下もしくは機能しなくなってしまうと妊娠や出産に影響が出てきます。
そこで、最近ではがん治療開始前に予後良好でありなおかつ生殖可能年齢の場合、妊孕性の温存療法を行うよう考慮されています。
2015年までに卵巣組織凍結・移植によって60名の生児が誕生しているとの報告もあります。
◎若い世代のがん
15〜39歳の若年がん患者様は、がん告知後に治療と妊孕性温存の2つの問題に直面します。
上記のような若年の方の場合、治療と妊孕性の2点を考えながら治療方針を決定していく必要があります。この選択には本人の意思や価値観が尊重されますが、まずは医療者からの適切な情報提供が必要です。
病状において考慮できる妊孕性温存療法の選択肢や、温存後に挙児を期待できる可能性や、不妊治療の限界など様々な情報提供がなされるべきです。
がん治療開始までの限られた時間の中でこのようなことを選択していかなければならないため、がんを診てくれている主治医だけでなく生殖医療の医師、カウンセラーなど様々な職種からの情報提供が必要です。
◎がん治療と性腺機能不全の関係性
がん治療による卵巣機能不全は一般的に患者様の年齢に依存し、卵巣予備能力が最も重要な因子となります。
高度な卵巣機能不全を引き起こす要因の代表的なものは薬剤です。
アルキル化剤は原始卵胞の発育を活性化し、さらに発育卵胞に対して細胞自体が死んでしまうように作用するためAMH(卵子の在庫数)が減少してしまいます。
AMHが減少することで原始卵胞の活性化が加速し、最終的には卵胞の枯渇に至るとしています。
放射線療法での影響は、放射線の量にもよりますが、ホルモン分泌に影響を与えることから妊娠率の低下につながる可能性があります。
◎妊孕性の温存
パートナーがいる場合は胚凍結を、未婚の場合は未受精卵子を凍結することが検討されます。
これらをするかしないかは、がん治療前の限られた時間で行うことになります。
限られた時間の中で、将来の妊孕性温存のために十分な数の胚あるいは未受精卵子を凍結するにはその数が重要です。
35歳以下の場合未受精卵が10個で29.7%の確率で挙児を期待できるとしています。
あまり高い数値とは言えないため、治療開始まで十分に時間がない場合には妊孕性を確実に確保できるほど十分な採卵を行うことは難しいと考えられます。
現時点ではここまでしか研究結果が出ていませんが今後、卵巣への負担が少ないがんの治療法が確立されたりする可能性はあります。
今後に期待ですね!
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