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何となく死なないために、何となく生きる
歌って、騒いで、飲んで、語って、ちょっとだけ泣いて、そうしてあまり眠れなくて、重たい瞼にも午後の日差しは容赦がない。今日の昼間は気温が三十三度まで上がった。蝉が鳴いていた。二十二歳になってもやっぱり夏は嫌いだった。
私は夏生まれだと話すと、それっぽいねと良く言われる。
かに座の人は、自分の殻の中に入れた人は絶対に守ろうとする人なんだと、友人が教えてくれた。私は占いの類いはほとんど信じないタイプの
ノストラダムスの大予言が的中すれば、私は生まれないはずだった
ノストラダムスの大予言によれば、1999年の7月に、恐怖の大王とやらが世界を滅ぼしてくれるはずだったのに、その予言は話題性や期待値だけを膨らませ、その全てを台無しにして呆気なく外れた。そしてコロナで始まった2020年が終わり、2021年が始まってしまった。私は今年で、22歳になってしまう。
会いたかった人に会えなかった
行きたかった場所に行けなかった
約束が叶えられなかった
たくさんの不完全燃焼
コインランドリーと春
昔よく使っていたコインランドリーで、たまに鉢合わせる髪の長い女性のことをたまに思い出す。
彼女は黒の服を好んでよく着ていて、病的なほど白い肌とのコントラストが特徴的で、そして耳には補聴器を付けていた。
彼女とは、会うと軽く会釈をするくらいの仲で、それ以下でもそれ以上でもない。
その日も、私が備え付けられた椅子に座ってスマホを触っていると彼女が現れて、数秒私と目が合うと、少し微笑みながら頭を下げて