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伝わる絵を手早く描くコツ

こんにちは、くぼみ(@kubomi____)です。「グラレコのヒミツ」では、グラフィックレコーディングの実践で気づいた学びを紹介していきたいと思います。

前回はグラレコとは?について解説しました。

今回は、伝わる絵の描き方についてです。

先日、会社の先輩が担当している芸術系大学のUI/UXデザインの授業の1コマを担当させてもらうことになり、「アイデアスケッチ演習をしました。人になにかを教えるというのは人生初の経験で、授業設計にはかなり悩みましたが、いろんな人にアドバイスをもらったり、練習に付き合ってもらったりしながら、なんとか授業ができました。

授業の目的は、すでに絵が描ける芸大生に、「伝わる絵を手早く描くこと」の重要性を理解してもらい、アイデアをアウトプットする手段として実践してもらうことです。

この記事では、その授業内容の一部「伝わる絵を手早く描くコツ」を紹介したいと思います。すでに絵が描ける方にも、絵が苦手だと思っている方にも、「コミュニケーションのためのアイデアスケッチ」を活用していただければ幸いです。

アイデアスケッチ?

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スケッチには、プロダクトデザインのスケッチのように、正確に形を伝えることを目的としたリアルなスケッチもありますが、今回目指すアイデアスケッチは、こんな感じの、ラクガキみたいなシンプルなスケッチです。

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なぜラクガキみたいな絵でいいのかというと、アイデアスケッチの目的は、「上手に絵を描く」ためではなく、あくまで「考えを伝える」ためだからです。つまり、コミュニケーションのためのスケッチです。会議や話し合いで、思いついたアイデアをササッとその場の人に共有する、そういうときに使えるのがアイデアスケッチです。そのためには、「人に伝わる絵を手早く描くこと」が大切になります。

モノを描くコツ

ここからは、ぜひ紙とペンを用意して、実際に手を動かしながら描いてみてください。

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まずはモノの描き方をカンタンに。

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線の引き方。デッサンでは、たくさん線を引きながら正解の線を見つける、というやりかたをしますよね。これは、正確に形をとるためには有効です。でも、「パッと見て伝わる絵」を目指すのであれば、堂々と一本線で描くのがオススメです。線に迷いがないので自信のある絵に見えます。このとき、角を閉じてあげると、スッキリ見えます。

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絵を描き始めると、どうしても「上手に描きたい」という欲求が出てくる方もいると思います。ですが、伝わる絵を手早く描くには、「最低限のディティール」で描くことが重要です。

ヒトを描くコツ

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どんなアイデアを考えるにしても、物語の主役はいつも「ヒト」です。ヒトを上手にリアルに描くとなると、それはどんなものを描くよりも難しいと思います。そこで、カンタンに描けて伝わる、単純化したヒトの描き方を紹介します。

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デザイン思考のアプローチを、紙とペンではじめてみよう! 「エモグラフィ特別講座」(グラフィックカタリスト タムラカイさん)
以前、タムラカイさんには仕事でワークショップをしていただいたことがあり、そのときに教えてもらったのが、感情を記号として描く「エモグラフィ」。

まずは、顔の描き方。これは、グラフィックカタリストのタムラカイさんの「エモグラフィ」が参考になります。5種類の口・5種類の目・4種類の眉の組み合わせで、誰でも簡単に100通りの表情が描けてしまうというテクニック!

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目・口・眉の組み合わせで、いろんな表情が描けますね。

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顔が描けたら次は胴体。胴体の描き方もいろいろありますが、伝わる絵を描くにあたってのおすすめは長方形。棒人間(左)では表現が乏しいし、書き込みすぎると(右)難易度があがって時間もかかる。長方形なら誰でもカンタンに描けて、いろいろ応用が効くのです。このとき、ポイントは手足を長方形の四隅から出すこと。これで肩と骨盤という人間の骨格の重要な部分を抽象化しつつ取り入れることができます。

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次は手足に注目します。私達の手足は、歩いたりものを持ったりする以外にも、様々な感情表現に使われています。ジェスチャー表現もそうですし、無意識に取る行動にも感情が現れています。感情は、顔の表情だけではないのです。怒った人は手を腰にあてているかもしれないし、喜んだ人はバンザイをするかも・・とその人の気持ちを想像して描いてみましょう。

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顔と体で、人は完成しました。プラスアルファで便利なのが記号です。

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同じ顔でも、記号を変えると、意味が変わって見えませんか?「失恋した人」「ひらめいた人」「落ち込んでる人」「わからない人」・・。

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表情やジェスチャーに、記号を組み合わせれば、より多くの感情や情報が伝えられるようになります。日々使っている絵文字は、良いお手本です。参考にしてみてください。

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次は、顔や身体の向きを描きわけてみましょう。顔の「具」を中心からちょっと左右にずらすだけで、左向きや右向きの顔に見えます。上下にずらすと見上げている顔とうつむいている顔になります。さらに足の「くの字」に折れたつま先、これは小さいポイントですが、足の向きを表してくれます。つま先を左右に開くと前を向いている人、左右どちらかに揃えると、横を向いている人に見えるはずです。このように、顔とつま先で、「方向」を表現できるようになります。

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方向があると、「関係性」が生まれます。さっきまで独立していた3人に、関係があるように見えてきませんか?喜んでいる人に対して怒っている人がいて、それを見て困ってる人がいる・・。方向から関係性、関係性から「物語」を感じさせることができるのです!

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必要に応じて、髪型、服装、アイテム、等身、体型、姿勢、、をカスタマイズしてあげると、いろんな人を描きわけることができます。

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ここまでに紹介した、表情、手足、記号、方向、アイテム、、などを組み合わせて、いろんな人が描けるようになります!

ヒト、モノが描けるようになったら・・

ここまでで、ヒトとモノを描くコツを紹介しました。この先は先輩のUXデザインの講義内容につながる内容です。

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ここまでの、「モノ」と「ヒト」を組み合わせると、自然と場所や時間といった「状況」も加わり、それが「コト」になります。

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その「コト」の前後をつないだストーリーが、UXデザイン(User Experience Design)になります。

このように、アイデアをストーリーの形で描けるようになると、目に見えるもののアイデアだけでなく、目に見えないもののアイデアをも、他人に伝えられるようになります。

ここまでで、「伝える絵を手早く描くコツ」を簡単に紹介しました。絵が苦手だと思っている方も、絵が得意な方も、明日から使える技術です。ちょっとした対話でアイデアを視覚化したり、ミーティングで議論をまとめたり、自分の頭の中を整理したり。。

ぜひ紙とペンを手にとって、実際に手を動かして描いてみてください!

なんと、グラレコ修行中というKIMIRAさんが、早速「やってみる」を実践してくださっています!この記事を読んでいるみなさんもぜひ、ペンを手にとってアウトプットしてみてください。

まとめ

・アイデアスケッチはコミュニケーションのためのスケッチ
・大切なのは伝わる絵を手早く描くこと
・線は堂々と引く、角は閉じる
・感情は、表情だけでなく、手足や記号でもあらわせる
・方向が関係を生み、関係が物語を生む
・表情、手足、記号、方向、アイテム、、などを組み合わせて、いろんな人が描ける
・ヒトとモノを組み合わせてコトとなり、コトをつないでストーリーが作れる

ついに書籍化!

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くぼみ
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