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介護

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#視点

虐待行為を「確定」や「疑い」だけで判別する視点は、果たして適切と言えるのか?

高齢者虐待という社会問題がある。

虐待行為は「確定」している場合と「疑い」の場合に分かれる。

とは言え、虐待は「確定」しているケースは稀である。

極端なことを言えば、周囲に複数の第三者がいる前で、介護者が高齢者を殴ったり蹴飛ばしたりしたら、それは「確定」と言える。

しかし、ほとんどの場合は「アザがある」「本人が『やられた』と言った」という客観視点からスタートする。

つまり虐待とは「疑い」

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高齢者は「弱者」で、介護者は「強者」なのか?

高齢者は「弱者」で、介護者は「強者」なのか?

高齢者虐待という社会問題がある。

高齢者虐待とは、高齢者が何かしらの虐待行為を受けることで、当人の尊厳を損ねている、あるいは尊厳を損ねる可能性を有した状態である。

何かしらの虐待とは、身体的虐待・心理的虐待・経済的虐待・性的虐待・介護放棄(ネグレクト)の5種類が挙げられる。

それぞれの虐待の形態については本記事では割愛するとして、いずれにせよ虐待行為はあってはならない。

――― が、なぜ虐

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介護している側が受ける虐待もある

介護している側が受ける虐待もある

高齢者虐待とは、いわゆる社会問題の1つである。

社会問題とは「弱者」に焦点と視点を当てている。

そして高齢者虐待は高齢者が「弱者」という扱いだからこそ、その不条理さから社会全体で守ってあげようという認識になる。

しかし、「弱者」の周りにいるのは「強者」ではない。
「弱者」の周りにいる人たちは普通の人間だ。何なら、その人たちだって視点によっては「弱者」にだってなりうる。

例えば、社会的に「弱

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認知症における記憶障害から生じる「初めてのこと」「何者か分からない」への不安感

認知症における記憶障害から生じる「初めてのこと」「何者か分からない」への不安感

認知症の基本症状として「記憶障害」がある。

これは老化による物忘れとは少し違う。老化による物忘れは、分かりやすく言えば「覚えているけれど出てこない」という状態であり、本人も歳をとったから物忘れがひどくなったと自覚がある。

しかし、認知症における記憶障害は、記憶というプロセスのどこかに支障が出ている状態であり、本人にその自覚はない。「思い出せない」というより「記憶していない」と言ったほうが適切か

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