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"ふらっと1on1"で語る、理想の上司像
残寒の候、どころか東北ではまだまだ厳寒の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。我ら新幹線ビジネス民は降雪や強風でのダイヤ乱れが起きるたびに四苦八苦しております。インフラ業の中の人、お互い大変ですよね。本当にお疲れ様です。
3月決算期の企業では年度末の数字を追いつつ来期の計画や人事体制が気になる時期。昇進昇格の悲喜交々もちらほらと。
そんな中で弊社ドコモ、「ふらっと1on1」という施策をここ数年やってましてね。詳細はこちら↓
記事中にある通り、"組織・役職・世代を超えた社員が、キャリアや日頃の仕事、ライフプランなどのさまざまなテーマで社員が対話する「ふらっと1on1」"という制度です。私もこれまで何度か相談を受ける側「ふらっとパートナー」に立候補しておりまして。おかげさまで複数の相談する側「ふらっとユーザー」さんから申し込みをいただいてお話しています。
もちろん、この制度がなくても社内誰でも気になる社員録ポチって「初めましてですが相談オナシャス!」ってできる会社が一番望ましい。
今はその過渡期と思って割り切り、施策ブラッシュアップに協力します。
では実際にどんな相談が舞い込むのか。
パートナープロフィールではマーケティングやグローバルビジネスに関して色々お話しできます!と積極PRしているのにそこはあまり相談されず(苦笑)。冒頭に触れたとおり、時期的に昇格が決まった社員からの相談を受けることがあります。
みんな不安ですよね。初めてのカチョーとかブチョーとか。私の時もこんな制度あったらいろんな人に話聞いてみたかった。
で、まあ似たような話を何度も個別にするくらいならまとめちゃえということで。皆さんにどんな上司になってほしいか。N=1の自分語りで恐縮ですが、私にとっての理想の上司像を言語化してみます。
キーとなるポイントは私を知る人ならご想像の通り、「オープン&フラット」です。
信念があり、オープンである
理想の上司像を一般化して語るのはなかなか難しいことです。ビジネスモデルや社風、部下の属性やスキルによっても描き方は異なるでしょう。
ただ、逆に最低な上司はわかりやすい。
それはとにかく「ブレる」上司です。
何か相談するたびにその場の思いつきの回答が返ってくる。さらに上の上司からのオーダーがあると指示が二転三転する。気分・機嫌でやり取りの質が変わる。そして自分が言ったことすらどんどん忘れていく。。。
こういう上司は本当に困る。攻略もしにくいので、ただ無能とか怠惰な上司よりさらにタチが悪い。リスクとは危険性ではなく不確実性なのです。
ということで、これから上司になる皆さんには自分の信念、拠り所、なんのために仕事をしているかをオープンに示してほしい。わかりやすい上司でいてほしい。
部下の頭の中に上司のペルソナが出来上がり、「あの人は絶対にこう言うだろうな」が定着してくればしめたもの。あなたの人格・あなたが作り上げたロジックはデジタルツインとなって部下の頭の中で仕事をしてくれます。つまり未来の権限委譲の布石になります。
部下が何でもかんでも自分に判断を仰いでくるようではお互い共依存になってしまいます。部下の自走・成長を促すために、思考ダダ漏れな上司になりましょう。オープンな自己開示に努めましょう。
フラットである
上司って、全てにおいて部下の上位互換であるべきなんでしょうか。
答えは明らかにNOです。無理です。
何かが"上”だから"司”どるわけではない。ただ役割として上司を務めるのです。その体制を決めたのは多分あなたではないさらに上の上司なので、「部下の方が優秀なのに私の能力で課長なんかできるんだろうか」とか考える必要は1ミリもありません。会社に指名されたんだからその資格はあるんです。
であれば、年齢や性別、学歴、国籍に関わらず、部下を尊重しましょう。虚勢を張らなくてもいいんです。運よく自分の方が得意なことがあれば教えてあげればいいけど、そんなことは稀だと割り切りましょう。部下の方が詳しければどんどん教わればいい。年上だろうが格上だろうが一人一人の部下に感謝しながらその課をさらに良くしていけばいい。ブレない信念を持ちつつ、その信念を優秀な部下との触れ合いの中でさらに磨いていけばいい。
"上”だから"司”どることができると考えるのは一種の呪いです。
役職や年齢、受委託などの上下の関係性のみで人を操ろうとする人にはいつかその呪いが返ってきます。降格したり転職したりすると今までの無理は一切通用しなくなるでしょう。だから努めてフラットでロジカルなマネジメントを心がけて、現場のスタッフの意見を課の運営に反映できる上司になってほしいです。
最もトラディショナルな業界であろう日本酒の酒蔵においてさえ、伯楽星は二十代の杜氏が醸してるんだからな!と東北っぽい例えを引いておきます 笑
余談1:ちなみに私にとって理想の上司だった人
ここまでで言いたいことは大体書いてしまいましたが。
N=1の極みで、私にとって最高に理想的だった上司についての小話を一つ。ずいぶん昔の話です。
その方はとてもアカデミックな経歴の課長で。
まだ大学に籍を置いていて、博士論文を書き上げている最中という方でした。とにかく研究の時間を作りたい、だから課の運営はお前に任す、というぶっ飛んだ放任思考をお持ちでして、本当に何もしないんです。課長しか出れないはずの会議もお前に任す、という豪胆さ。流石の思考の質の高さで要所要所に的確なアドバイスはもちろんいただけるんですが、計画も体制もほとんど自分で作らなきゃいけない。
極め付けに、ひたすら煽るんです。
「ひらっちゃん、そんなもんかね?君ならもうちょっといけるんじゃない?」と。これには燃えましたね。もう実質自分が課長みたいなもんですからね。俺がなんとかしなきゃ、と人生5年くらい先取りしてとても貴重な経験をさせていただきました。
無事論文も書き上げて転職されましたがお元気にしているかなあ?
またお話しできることがあればぜひ当時の答え合わせをしたいです。ともすれば批判の嵐になりそうなマネジメントスタイル、果たして私の性格を見抜いてそうしたのか、誰であっても任せてくれたのか・・・?
余談2:参考図書
好き勝手に書き散らかしてみたところで、自分が課長になった時の研修課題図書だった「そうか、君は課長になったのか。」を久しぶりに読み返してみました。
今となってはちょっと時代的に古いかなあというところも多々ありつつ。
「最初に君の信念を示す」
「細かいことは部下に教われ」
「部下の自己実現を応援しなさい」
「課長だからといって格好つけるな」
といったくだりはまさに私がこの記事で書いたところと通じる話だなあと思いました。これから課長になる方、ぜひ読んでみてくださいませ。