組織はリーダーの力量以上には伸びない
11月9日の産経新聞にコロナ時代のパリの風景について書いてありました。新型コロナウイルスの流行が続いているものの、パリは屋外ならマスクなしで自由に歩けるようになったそうです。ただ、悩ましいのが「あいさつのキス問題」。
「実は、前から嫌だった。今後、キスは息子だけにする」という50代女性の言葉に拍手を送りたくなりました。誰かが嫌な気持ちを押し殺しているような習慣は無くなってしまえばいいと思います。コロナを機に「職場では廃止にしよう」という動きも広がりを見せているらしいです。
しかし、組織によっては、どういうわけか、偉い人が、よくわからない慣習ほど残したがったりします。自分の信じる価値観を揺るがされることに対して過剰に反応する大人たち。周りにイエスマンしか配さないため、視野が狭くなってしまうのでしょう。「ブラック校則」が未だに存在する学校の校長、「夫婦別姓」や「同性婚」が認められない政治家、采配ミスを選手の責任に転嫁する監督、似たような例はいくらでも出てきますよね。11月9日の山形新聞『談話室』に出てきた野村克也さんの言葉を偉い人たちに捧げましょう。
「組織はリーダーの力量以上には伸びない」
しかし、残念ながら、この言葉が響いてほしいリーダーにほど、この言葉は響かないのです。
力量のないリーダーほど、自分の信じる価値観を揺らすことをせず、数十年前、彼の若かりし頃に叩き込まれた今となっては化石となっているような仕事観を押し付け、従わない人々を排除します。カチコチに固まりきった融通の効かない思考回路は「矛盾」を許しませんが、そのくせ、自身の思考の中にさえ、矛盾が存在していることに気づいてはいるため、その矛盾を隠し通すために形だけ整合性を保とうとする、というようなことがあるような気がします。
11月10日の朝日新聞『折々のことば』では鷲田清一さんが「二つの要求を較べると明らかに矛盾である。-ここまではよろしいのです。」という言葉を紹介していて、この方は本当に人間のことをわかっておられるなぁと感激しました。
人間を相手にしていないと、人間のことはなかなかわからないものですよね。
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