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#和風ファンタジー
パンジー商店の福福兄弟 第2話
猫麻呂は言った。
「十二支のうちの寅の力・・・・・・先ほどの虎の子は、その力そのものなのだ」
「十二支? 寅・・・・・・? 猫麻呂、話が見えないんだが」
幸申は頭を抱える。何のことかさっぱりだ、と言いたげに。
「ここ十二支ヶ丘は、かつて大妖怪が暴れ、封じられた場所・・・・・・その封印が、この時代に破られようとしているのだ。十二支の力は、封印を再び施すために人間と協力する必要がある」
「寅の力が
黒山家の秘密 第十一話
「っ!?」
俺は空間の中で目を覚ます。
汚れを知らない白に囲まれたその場所では、無数の淡い光が浮かんでは消えていた。
『起きたのね』
声のする方を見る。オレの足下より少し離れたところに、それはいた。
真っ白な体毛に、ブルーとイエローのオッドアイの猫。きちんと前足を揃えておすわりをしていて、尻尾はその足元に巻き付くようになっている。
『あんた、「戌」の子よね』
「そう……だけど。君は?」
『