産女の最期
ああ、これも運命か。
わたしの役目は、ここで終わり。
優一、最期に謝らせて欲しい。
あなたがわたしの孫だなんてウソをついて、ごめんね。
あなたの家族のこと、何も言えなかった。伝えられなかった。
だって、伝えたらあなたを守り切る保証がなくなるから。
ーーわたしがいなくなっても、強く、たくましく生きるんだよ。
そして、あなたの家族を、必ず助けるんだよ。
あなたならきっとできる。わたしがいなくても。
ああ、身体が消えてゆく。わたしの意識も、もうもたない。
優一、愛しているよ。ずっと、ずっとーー
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