『仕事の生産性も、社員のモチベーションも、マネジャーの質、とりわけその考え方の質にかかっている』 (「ノルマは逆効果」より ④)
藤田勝利さんの著書、「ノルマは逆効果」。
この本から、私の心に響いた言葉をご紹介しています。
今回は第4章、『ノルマに頼らずに結果を出す「マネジメント」の原則』からの言葉です。
いよいよ藤田さんの真骨頂である「マネジメント論」直球の内容なのですが、響く言葉が沢山あり過ぎて困りました。
この章では、『ノルマに頼らない「マネジメント」6つの成功原則』として、以下6つの原則の解説が進みます。
▼原則1 「指名、ミッション」に立ち返る
▼原則2 「廃棄」から始める
▼原則3 「マネジャー」を変える
▼原則4 「顧客」の視点から、創りなおしてみる
▼原則5 「人が自ら育つ」組織をつくる
▼原則6 「戦略的に正しいこと」よりも「人のモチベーション」を優先する
このうち、『原則3 「マネジャー」を変える』から、以下をご紹介します。
“仕事の生産性も、社員のモチベーションも、マネジャーの質、とりわけその考え方の質にかかっています。” (p146)
しかし現状は、長年現場で頑張ってきた社員や、それなりの成果を挙げた社員へのご褒美として、その向き不向きを考えないまま、管理職のポストに就かせるケースが今だに多いと感じます。
藤田さんもこう指摘します。
“もともと「個」として成果を挙げることに長けていた人が必ずしも「組織」を成長させて成果を挙げられる保証はありません。少なくとも、本人にマネジメントという仕事への情熱や責任感、そして何より人への関心がなければ、まず不可能です。” (p146)※一部表現を修正
マネジメントに向いてない人は、無理にマネジメントをする必要は無いのだと思います。
そして望まない人を無理にマネジメントのポストに就ける必要もありませんし、むしろそのポストに就けない方がいい人もいます。
本書では、ドラッカーの名著『マネジメント』から、「マネジャーに任命してはいけない人のタイプ」を引用する形で、その傾向に警鐘を鳴らしています。
①「強みよりも弱みに目を向ける者をマネジャーに任命してはならない」
②「何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者をマネジャーに任命してはならない」
③「真摯さよりも頭の良さを重視する者をマネジャーに任命してはならない」
正直、周りを見渡すと、残念ながらこんなマネジャーばかりです。
人の弱みに着目してしまう傾向は、以前「性悪説が蔓延る組織は衰退するしかないのか。」と言うの記事にまとめました。
何を言ったかよりも誰が発言したかを重視する。これもよく目にします。
そして最後の「真摯さ」。ドラッカーのいう「インテグリティ」ですね。
この「真摯さ」とは何か。
“つまり一貫性です。人として裏表がなく、組織の使命、個人の使命に一貫して忠実である人、ブレない人というのがマネジャーの重要な要件になるということです。” (p150)
こう解説されています。
この「真摯さ」については、私の拙いコメントよりも、ドラッカーさん本人のコメントをご紹介して、本投稿を締めたいと思います。