クラブ別戦力評価#3 浦和レッズ
記事編集日:2023年1月11日
みなさん、こんにちは。
本日より、2023シーズン開幕に先立ちまして、昨年も行いました戦力評価を行っていきたいと思います。
すでに、2023年に入り、各クラブが新体制発表、キャンプインなどという状態になってきました。
「クラブ別戦力評価」の第3弾は、浦和レッズ編です。
評価軸としては、「GK」から「FW」の各ポジション、そして「その他」として監督などのスタッフや継続性を「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」の7段階評価をしていきたいと思います。
移籍市場
ここまでの、移籍市場の動きを振り返っていきましょう。
画像は、Jリーグ公式の移籍情報ページのキャプチャになります。
考察
基本的な戦力の入れ替えは少ないオフとなりました。
一方で、2年間でリカルド・ロドリゲス監督体制が終わりを迎えてしまったこともあり、一部選手はスタイルとの適応具合に応じて放出という判断をされることになりました。
かねてより、移籍の噂があった江坂選手が既報通り、韓国へ。また、宮本選手が昨年末に練習参加したベルギーのクラブへの期限付き移籍を決断しました。
武田選手、藤原選手、工藤選手など期待の若手をレンタル放出した他、金子選手と杉本選手は完全移籍へ移行しました。
加えて、スコルツァ監督のサッカーになかなかマッチしないと思われていたキャスパー・ユンカー選手はカウンターサッカーを志向している名古屋グランパスへの期限付き移籍が決定しています。
加入に目を向けると、昨季加入したリカルド前監督の愛弟子である岩尾選手の完全移籍への移行と、札幌へ期限付き移籍していた興梠慎三選手の復帰が大きな動きです。
また、FWではJ2で得点を量産した高橋選手を獲得した他、一部報道ではセルティックよりFWの獲得に動いているそうです。
評価
GK
昨季の1番手、2番手が残留しています。
どちらの選手を起用すべきかの意見はサポーターによって分かれるそうですが、元日本代表で経験豊富な西川周作選手とパリ五輪世代の鈴木彩艶選手の両方が残留しており、GKの主戦選手に変更はなさそうです。
加えて、2021年の水戸のレギュラーである牲川選手と、一時は大分で高木選手を差し置いて主力になった吉田選手の獲得に成功しており、一時はJリーグのいずれかのクラブで主力であったGKが4人在籍しているというとても分厚い陣容になっています。
一方で、「層の厚さ」で見ればJリーグ屈指ですが、試合に出る選手は1人ということを考えると、「飛び抜けた選手」というのがいないのは弱みにもなり得ます。
そのため、最高評価の『SS』ではなく『S』にしました。
DF
このオフのDFに関する一番大きな動きは以下のものです。
記事執筆時点では、岩波選手の移籍は決定していませんが、このようなプレスリリースが出ているということを踏まえると、99%移籍すると考えて問題ないでしょう。
加入当初は主力ではなかった岩波選手ですが、在籍期間が長くなればなるほどチーム内での序列を上げてきたイメージです。
2022シーズンはJ1リーグ31試合に出場するなど、ショルツ選手とセンターバックでコンビを組んでいましたが、その選手が移籍ということは戦力的に大きなマイナスです。
一方で、2022シーズンに主力としての活躍が期待され鹿島アントラーズより加入した犬飼選手が負傷によりほとんどの期間を離脱していたことや、外国人CBの補強に近づいているという報道が出ていることを考えると、そこまで大きな痛手にはならないのではないかと思います。
サイドバックに関しては、課題が山積みと言える状態です。
左サイドバックは、明本選手と大畑選手が務めていましたが、明本選手は、本職が前目の選手であることも踏まえると、ポリバレントさは武器ですが、監督が変わる2023シーズンもサイドバック起用かどうかと言われると不透明と言えます。
加えて、大畑選手が残留していることはポジティブですが、日本サッカー界で見ても「期待の若手」ですので海外移籍の可能性も否定できない状態であることを踏まえると、もう一枚欲しいとは言えるのではないでしょうか。
右サイドバックの主戦が酒井宏樹選手であることは不動でしょう。
一方で、マルセイユから日本復帰後は負傷離脱する時期もあり、そのような時期に試合に出場していた宮本選手がベルギーへの移籍を決断したということを踏まえると、右サイドバックのポジションも左サイドバック同様、薄いと言わざるを得ません。
昨季後半戦に序列を落としてしまった馬渡選手は在籍していますので、「シーズンが回せない」という状態ではありませんが、もう一人いてもおかしくはない人数構成であると言えます。
以上のようなことを踏まえ、評価は中程度の『B』としました。
MF
非常に動きが少ないオフになりました。
昨年も多くの試合に出ていた選手に限定すると、トップ下の一番手であった江坂選手が契約満了に伴い、蔚山現代にフリー移籍をしたことで退団しました。
一方で、リカルド監督の愛弟子として加入し、ボランチの一番手となった岩尾選手は完全移籍へ移行することに成功しました。
戦力で見ても、ボランチはその岩尾選手に加え、確実な実力者である伊藤選手、柴戸選手に加え、J2での実績豊富な平野選手や大卒の安居選手などが所属しており、非常に層が厚いと言えます。
サイドアタッカーも、右サイドのモーベルグ選手が圧倒的なパフォーマンスであったこともあり、そこは不動であると思いますが、左には関根選手をはじめ、松尾選手、大久保選手、松崎選手などJリーグの舞台で着実に結果を出している選手が在籍しており、豪華な陣容であると言えます。
課題となりそうなのは、トップ下です。
仮に、スコルツァ監督が、これまで指揮していたチームと同様に、4-2-3-1のフォーメーションを採用した際に、トップ下は昨季の一番手である江坂選手が退団したことで、同じくらい出場機会を得ていた小泉選手が入るのが自然ですが、その控え候補がいないのが現状であり、MF面唯一の課題です。
非常に良い戦力が揃っているのがMFですので、評価は最高評価の『SS』としました。
FW
スタイルとの適合など、非常に難しい影響はあった、そして、怪我がちであったとは言え、試合に出れば結果を残すユンカー選手の退団はマイナスに作用するかもしれません。
一方で、既に報道にあるようにセルティックからFWの獲得やチアゴ・サンタナ選手(清水エスパルス)の獲得に動いているようですのでしっかりと穴を埋める補強には動いています。
また、2022シーズンは松尾選手が最前線で起用される試合もありましたが、サイドハーフの戦力の厚さを見ると今季もそのような起用が続く可能性もありそうです。
浦和のレジェンドであり、昨季は北海道コンサドーレ札幌に期限付き移籍していた興梠慎三選手は復帰となったものの、年齢的な面も考えると、主力というよりかは、スーパーサブのような立ち位置になるのではないでしょうか。
仮に、外国人FWの獲得に失敗した場合なども考えると、浦和出身でJ2の熊本から加入した高橋選手の奮起に期待です。
選手の名前は豪華です。
ただ、リンセン選手にしろシャルク選手にしろ名前は豪華ですが、Jリーグここまでなかなか結果を残せておらず現状の期待値は低くなってしまいます。
加えて、高橋選手がどの程度J1で通用するか不明ということや、現時点で外国人FWの加入が未定であることが懸念点です。
そのため、評価は『C』としました。
その他
スコルツァ監督の欧州での実績は素晴らしいものがあります。しかしながら、Jリーグ初年度ということを踏まえると、どの程度通用するのかに関しては非常に不明な点が多いです。
加えて、仮に実績のあるFWが加入したとしてもキャンプにスタートからいないわけですので、スタイルへの適応などという観点では不安な点が非常に多いというような状況ではないでしょうか。
このような不明点を考えると、評価は『D』としました。
予想フォーメーション
予想フォーメーションは、スコルツァ監督が過去によく使用していた4-2-3-1を考えました。
GKは、西川選手と鈴木選手を中心としたポジション争いになるでしょう。個人的には、期待も込めて、そろそろ鈴木選手がレギュラーを掴んで欲しいと思っています。
監督も変わるタイミングということもあるので、完全にレギュラー奪取するという意味では良いタイミングではないでしょうか。
右サイドバックの一番手は酒井宏樹選手で確定だと思いますが、負傷離脱した際に試合に出場していた宮本選手が移籍してしまったため、昨季の前半戦の活躍が素晴らしかった馬渡選手が2番手になるでしょう。
逆に、左サイドバックの一番手は昨季同様に、大畑選手だと思いますが、2番手であった明本選手が本職である前目のポジションで起用される可能性も鑑みると、サイドバックの選手数という観点では不安が残ると言わざるを得ないでしょう。
センターバックは、岩波選手が退団濃厚となっていますが、ショルツ選手は確定でしょう。
外国人CBの獲得に迫っているという報道もありますが、現時点では獲得が決まっておらず、現時点では昨季は負傷離脱していた犬飼選手が多くの試合に出場するのではないでしょうか。
知念選手は、J2で通用していたもののJ1ではなかなか試合に絡めておらず、今季も厳しいかもしれません。
ボランチは、岩尾選手が完全移籍移行したものの、リカルド監督ではなくなったということを踏まえると、昨季より絶対的な選手とはならないのではないでしょうか。
柴戸選手や伊藤選手は昨季も多くの試合に出場していた選手ですし、年齢的な面を踏まえると、主力になると考えるのが自然ではないでしょうか。
トップ下は、江坂選手が退団してしまったため、現状のメンバーを見ると小泉選手が入るのが自然でしょう。明本選手もできるとは思いますが、なかなか主力になるのは難しいのではないでしょうか。
サイドハーフは、右のモーベルグ選手は確定として、左は結構不透明です。
関根選手や大久保選手など実績もある選手が在籍していますので彼らの中でポジション争いをすることになるとは思いますが、いずれにせよJリーグ屈指の激しいポジション争いであることは間違いありません。
最後に、最前線はユンカー選手の退団。
リンセン選手、シャルク選手がなかなか結果を残せていない現状を鑑みると、開くまで現状のメンバーのみから考えるのであれば、ロアッソ熊本から加入した高橋選手が一番手になるのではないでしょうか。
年齢的な面を鑑みても興梠慎三選手はスーパーサブ的な立ち位置になりそうです。
まとめ
これまでの評価をまとめます。
総合評価は、『A』となりました。
目標
現実的な目標は、「ACL圏内&タイトル争い」になるでしょう。
特に中盤は戦力が整っています。
DFやFWにも実績がある選手はいますので、まだなかなかJリーグでの結果を出していない選手が多いですが、選手のポテンシャルは高いのではないでしょうか。
最後に
記事を見つけてくださりありがとうございました。
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