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恋と欲に溺れた大碓命 景行天皇 其の六 神話は今も生きている ことの葉綴り五一八

涼しいあいだに、お朔日参りへ

こんにちは。明日から葉月、八月ですね。
皆さま、暑い日が続いておりますが、お元気でしょうか?

暦でみると八月一日(日)は、六曜は「仏滅」ですが、十二直は、開き通じる日の「(ひらく)」。運を開きましょう!
二十八宿は、ご神事、仏事、開店、開業、衣類に新調すべてに大吉の「(ぼう)」
そして、へびを表した金運、財運に良い「巳の日」+「母倉日(ぼそうにち)」は、天が人々を慈しんでくれます。
朝の涼しいうちに、氏神さまへのお朔日参りいかがでしょう?

ちなみに八月二日(月)も、お参り日和です!!
六曜が「大安」はいわずもがなの吉。
十二直は「(とづ)」といって、すべてを閉じ込める日。でも金銭を納める、お墓を建てる、壁やふすまの穴をふさぐなど、“とじる”イメージは吉なんですね。
二十八宿は、「(しん)」。神仏の祭祀、移転、旅行に吉。
そして、一粒が万倍になる「一粒万倍日」に、「母倉日(ぼそうにち)」と、ご神事によい、お墓参りやご供養に吉日の「神吉日」と、吉祥日も三つ重なっております。

本来ですと、八月二日からは「東北三大祭り」が始ります。
「青森ねぶた祭り」が二日~七日。
「秋田竿燈まつり」は三日~六日。
残念ながら、今年は、中止となっています。
「仙台七夕まつり」六~八日で、規模を縮小して、来場者は県内の在住の方限定となっています。

全国、夏祭りのシーズンですが、今年は中止のお祭りも多いですね。早く世の中が落ち着いて、お祭りが華やかに執り行われるようになりますように!!

さて、今日も神話の物語に入ります。

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偽物と見抜いた景行天皇

第十二代、景行天皇(けいこうてんのう)は、多くのお妃と八十柱の御子がおりました。
あるとき、三野(美濃)に、見目麗しい姉妹がいると聞いて、お妃したいと、御子の大碓命(おおうすのみこと)に、宮中までのお迎えを命じられました。

そして、とうとう楽しみにしていた、噂の美人姉妹の兄比賣(えひめ)と弟比賣(おとひめ)が、天皇の御前に現れました。

嬉しそうに「面をあげよ」と、“兄比賣(えひめ)と弟比賣(おとひめ)”に、優しく声をおかけになります。

はい……。

静かに面を上げた“兄比賣(えひめ)と弟比賣(おとひめ)”は、美しい姉妹でした……ところが、この二人をご覧になった瞬間、景行天皇は、とても強い違和感を感じられたのです。

違う! 何か違う! これは三野で評判の姉妹ではない!?

なぜでしょう?

それは、もう皆さん、ご存じの通り。
三野(美濃)へと向かった大碓命(おおうすのみこと)が、兄比賣(えひめ)と弟比賣(おとひめ)に一目惚れをして、「わがものにしたい!」と欲が出て、自らがこの美しい姉妹と婚(まぐは)ひ、父である天皇に背いて、お妃となる姉妹を横取りしたのです。

景行天皇の前に現れた、“兄比賣(えひめ)と弟比賣(おとひめ)”は、大碓命(おおうすのみこと)が仕込んだ、偽物の姉妹だったのです。

景行天皇は、一目ご覧になられたときに……「これは、私がもとめていた噂の姉妹ではない!!!」そう、直観で見抜かれたのです。

けれど、騒ぎ立てるようなことはありませんでした。


「よくまいった」

そう、お言葉をおかけになられました。
けれど、この偽物の“兄比賣(えひめ)と弟比賣(おとひめ)”を、追い返すことはなさらず、宮中に侍(はべ)らせることはされたものの、遠目に眺めているだけで、決して、婚(まぐは)ひ、結ばれようとはされませんでした。

偽物の“兄比賣(えひめ)と弟比賣(おとひめ)”にとっては、これはいたたまれず、惚(くる)しむことになります。
それでも、どうすることもできません。

また、景行天皇(けいこうてんのう)も、太子(ひつぎのみこ、皇太子)である、大碓命(おおうすのみこと)に、「お前は、横取りをしたのだろう?!」と、真相を問いただすこともできませんでした。

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恋に欲に溺れた大碓命

大碓命(おおうすのみこと)は、それをいいことに、我が物とした
兄比賣(えひめ)と弟比賣(おとひめ)を、自分の妃として寵愛をして、メロメロになっていたのです。

やがて、兄比賣(えひめ)は、大碓命(おおうすのみこと)の子、押黒(おしぐろ)の兄日子王(えひこのみこ)をもうけます。
この王は、三野(美濃)の宇泥須和氣の祖となります。

もう一人の弟比賣(おとひめ)も、大碓命(おおうすのみこと)の子、押黒(おしぐろ)の弟日子王(おとひこのみこ)を設けます。この王は、牟宜都君(むげつのきみ)の祖となります。

このころ、宮中では、朝餉の儀(あさげのぎ)、夕餉の儀(ゆうげのぎ)があり、天皇とともに朝と夕の食事をとるのが、ならわしでした。そこに顔を出すことで、絆を深め信頼関係を確認する意味もあった大切な儀礼だったのです。
大碓命(おおうすのみこと)は、見目麗しい兄比賣(えひめ)と弟比賣(おとひめ)にもう、無我夢中で、皇太子でありながら、この重要な朝餉の儀(あさげのぎ)夕餉の儀(ゆうげのぎ)にも顔を出さなくなってしまったのです。

美しい姉妹に骨抜きになって、仕事もなにもかも、そっちのけ!
欲まみれになってしまったのですね(苦笑)

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―次回へ
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