M29と呼ばれた男 第9話
「位置に着いた」
無線でUMP45に報告する。枝の上に到達するのは思っていたよりも簡単だった。
自律人形の義体で強化された脚力と腕力があれば、木登りなんて朝飯前だ。
心配事だった枝の強度は、よほど揺らさない限り折れる心配はなさそうだ。
「分かった。カウントと共に突入して」
「了解」
「5」カウントが始まる。俺は自身の分身であるマグナムと、新品の高周波ナイフを抜く。
「4」突入口である窓を見据え、どのように突入すればより素早く敵を無力化できるか頭の中で計算する。
「3」ふと疑問