リア王のキャラクターとしての魅力
「シェイクスピアなんて古臭い」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、「今でも十分に面白い!」と言い切れる理由があります。それは、シェイクスピアのキャラクターたちが非常に魅力的で、個性が際立っているからです。今回はその魅力を、特に『リア王』を例にとってご紹介します。
まず、『リア王』を一言で説明すると
**「過去の栄光にしがみついたリア王が、人生の最期に失敗する物語」**です。
物語の冒頭では、リア王は老いを感じ始め、自分の権力を娘たちに譲ろうと決心します。
キャラクター① リア王特徴:
まだまだ自分は若いと思い込んでいる。
老いを感じつつも、それを認めたくない。
自分が常に正しく、他人が間違っていると信じている。
怒りっぽい。
リア王が魅力的なキャラクターである理由は、「自分自身を見つめることができない」という人間的な弱さにあります。物語の中でリア王は明らかに誤った判断を下す場面がありますが、部下が進言すると「お前には何もわかっていない!」と激怒します。ところが、リア王は時折正論を述べるため、その衰えがまだらに見え、かえって彼の人間らしさを強調します。このリアルな老いの姿こそが、『リア王』というキャラクターの大きな魅力なのです。
キャラクター② リーガンとゴネリル
リア王の娘である三姉妹のうち、上の二人がリーガンとゴネリルです。この二人を一言で表すと
**「私利私欲だけで動くキャラクター」**です。
彼女たちは父リア王の衰えにつけ込み、財産を手に入れるやいなや、彼を冷遇し始めます。自分を正当化するための意見しか受け入れず、周囲の状況を顧みない姿は「今だけ、金だけ、自分だけ」という自己中心的な性格を象徴しています。この二人の露骨な悪役ぶりが、妹コーディリアの善良さをより一層際立たせる存在となっています。
キャラクター③ コーディリアリア王の三女であるコーディリアを一言で説明すると
**「善を貫く人物」**です。
単に「善人」と言わないのは、コーディリアが父リア王の愛情を求められているにもかかわらず、自分の信念を貫くために「お父様を愛しています」と嘘をつけないからです。この一言さえ言っていれば、リア王の人生の最期は悲惨なものにならなかったでしょう。
この他にも、シェイクスピアには素晴らしいキャラクターが数多く登場しますが、それはまた別の機会にご紹介します
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