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彷徨うおっさん

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仕事以外での人生経験、生き方や思想について語ります。
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#共感

彷徨うおっさん146 男のプライドという嘘理論(3/5) 「女は共感の生き物」とセットで使われる臭さ 

 前回までは、女性が、男をしばしば「プライドが高くて面倒くさい生き物」と感じている背景について、一つのアンケート結果を見て考察した。  そして、何やら大人として未熟な部分を指して「男のプライドの高さ」と言っているようであること、また結局、女性だって同じで、男女差以上に個人差の方がずっと大きいことを述べた。  また、きちんと積み重ねた人にとってのプライドは、脆くて面倒くさい内面の話だけを指しているのではなく、ぼんやりとした意味で、男女関係に結びつけて語られることに違和感や疑問が

彷徨うおっさん144 男のプライドという嘘理論(1/5) 男にも女にもプライドはある 個人差が大きいのでは?

 男はプライドの生き物だから、プライドを傷つける言動はNGだという記事がある。特に、モテテクやら婚活応援やらのコラムや指南書に見られる記載であるが、 多くは男を馬鹿にした非常に雑な見解である。  プライドを持って生きることが「相手(女性)に面倒くささを与えている=男は面倒くさい生き物である」などという論調で書かれており、女性の上から目線の態度や、プライドと関係ない事にまで、プライドに注意せよと、男性との間違った対話を世間に広めてしまっているように感じる。  プライドという言

彷徨うおっさん127 選挙!誰に投票するかの決め方(自論)(後編)

 前回、具体的に誰に投票するか、各々でどういった点に思慮を深めるべきか、おっさんの自論として、有権者の誤りがちな点、そしてそれらを改める第一歩を3つ述べた。 ① 先ずは政策の何処を見るか決める ② 政策が具体的、現実的かどうかを確かめる ③ 自身の想いと共感するか確かめる  また、そのうちの一つ「①先ずは政策の何処を見るか決める」について詳述した。今回はその続きとして②、③を述べたいと思う。 <②政策が具体的、現実的かどうかを確かめる>  「我が政党は〇〇を実現します

彷徨うおっさん126 選挙!誰に投票するかの決め方(自論)(前編)

 前回、いい加減に有権者の間で政治の議論を深めようという旨の論考を2回に渡って執筆した。読み手によっては割と過激と感じる文面や、個人批判も含む内容であった。  だが、昨今の有権者全体(おっさん含む)の流されるままの投票、或いは政治的無関心は問題で、故に問題のある人が議員になるなど、政治が混乱しているのではと警鐘を鳴らすことにしたのである。  今回は、では具体的に誰に投票するか、各々でどういった点に思慮を深めるべきか、おっさんの自論を順を追って述べたいと思う。 <有権者側が

彷徨うおっさん112 いい加減気が付けよ共感のまずさ(4/4) 所詮共感論もビジネスだろう

 前回は、共感がもたらす残忍さが、子供にも向けられること。そして、そんな共感共感の思想を妄信した結果、多くの男女が、愛情への認知を歪ませ、男が女を警戒するようになっていった現状を述べた。  最終回の今回は、共感論は金儲けだろうというおっさんの持論と、そんな思想で世界が良くなったかの問いかけ、そして本来はどうあるべきかについて述べ、締めくくりたい。 <金儲けのトンデモメソッドが流行る一方で、大人が持つ愛情はあまり紹介されない>  怒らずきちんと相手に説明して、一人でも自分

彷徨うおっさん111 いい加減気が付けよ共感のまずさ(3/4) 歪む愛情表現 上辺をこするしかなくなった男達

 前回は「共感することで相手により大きな苦痛を与える選択ができること」について、おっさんの体験を述べながら、問題の怖さや残忍さを述べた。  今回はその続きとして、その残忍さが子供にも向けられること。そして、そんな共感共感の思想を妄信した結果、多くの男女が、愛情への認知を歪ませてしまい、例えば、男が女に本音を言わなくなる事態も起こっている点について述べたい。 <掌返して残忍になる共感論者女性 続き 子供にも!>  前回紹介した情動的感情による共感と支配を、男に対してだけで

彷徨うおっさん110 いい加減気が付けよ共感のまずさ(2/4) 共感が掌(てのひら)を返して残忍性に

 前回は、脳の男女差について、一部の非科学的な論者によって、その差が過剰に煽られ、個人差が無視されがちである現状について述べた。  また、情動的共感性の有害性において、共感することで周囲が見えなくなった事例について、おっさんの体験を交えて述べた。  今回はその続きと考察を述べ、次に「共感することで相手により大きな苦痛を与える選択ができること」について、再びおっさんの体験を述べたい。 <前回の続き 情動的共感の問題点>  情動的共感が持つ有害性について、前回の2つの体験例

彷徨うおっさん109 いい加減気が付けよ共感のまずさ(1/4) 男女差という雑なカテゴライズ 情動的共感の有害性

 本noteでも散々述べてきたが、おっさんは「共感」の危うさについて常々思う所である。特に男女問題に結び付けて、男は問題解決、女は共感の生き物であるから云々といった、あまりにも雑なカテゴライズで物事を語る者達が多く、男女の分断にまで発展していて嘆かわしく思う。 「男は共感が苦手→女の気持ちが分からない→モテない・好ましくない存在」 という極論や 「女は共感の生き物→共感力が高く心が豊か→子育てに有利・重要な存在」 という極論まで存在する。  そして、その性質を本気で信じ込ん

彷徨うおっさん85 満点主義の日本(4/7) 満点が不可能と分かっている筈の人間関係も満点主義

 前回は仕事における満点主義について、ブルシットジョブで功を誇る様々な口実や、逆に意義のある仕事の価値を相対的に貶すために、満点主義的な思想が利用されている可能性について述べた。  今回は、人間関係における満点主義について述べ、何故日本は満点主義なのかについて、踏み込んで考察していきたい。 <人間関係における満点主義>  自分の考えや、意思を訴えて、何もかもそれが相手に伝わるかというとかなり難しいように思う。  軍隊的な組織であれば、某北の国のマスゲームのように、物理

彷徨うおっさん56 分断する男女(6/7)共感による恋愛観の先鋭化 果てに現れた蛙化現象の多発

 前回は、恋愛も含めて、人間関係の捉え方が潔癖化している青年世代の恋愛観について、おっさんの私見的考察を述べた。今回はその続きとして、最近よく言われる「共感論」によって、先鋭化された恋愛観に拍車がかかっている可能性、また「蛙化現象」の増加について、考察を述べたい。 <前回の続き>  また、別の論考でも述べ、何度も繰り返してきたが「共感」を重視しすぎるのはどうかと思う。  これは本当におっさんよりも上の世代が煽り広めてきた「誤った易行」に思う。他者の気持ちが分からないとい

彷徨うおっさん30 昨今の「共感」議論の危うさ(4/4)共感とは本来有難いものだ

前回は、共感する気遣いの有り様について、例を交えて述べた。 今回はその続きで「共感しない気遣い」についてと、共感とは本来かくあるべきについて述べたい。 <共感する気遣いよりも、共感しない気遣いが良いのでは? 続き>    前回の共感する気遣いのまとめ①〜④を見てみると、やはり愛情と感受性を養うための、子育てそのもののようなやりとりと同じである。  だが、だとすれば万人受け(大人向け)ではないだろう。  大人に対してこれらのスタンス一辺倒では、誤りの放置や、それに伴う

彷徨うおっさん29 昨今の「共感」議論の危うさ(3/4)共感しない気遣い

 前回は、共感によるしっとりした友情の面倒くささについて述べてきた。  今回はその続きとして、共感の果ての友情の脆さと、共感する気遣いよりも、共感しない気遣いをおすすめしたいということを述べる。 ※本項では共感は女、問題解決は男と言う価値観をあえて前提にしている。 <共感によるしっとりした友情の面倒くささ 続き>  いずれにしても席を立って肩を持つか、止めるか、静観するかの動きは本当に人それぞれ、状況によりけりである。  そしてそれでも友情にひびが入ることなど全くない

彷徨うおっさん28 昨今の「共感」議論の危うさ(2/4)共感ベースのしっとりした友情構築の危うさ

 前回は「女性は共感の生き物」という考えの果てに、結局男性を悪者にするための都合の良い理論が発生していることを述べた。また、共感できなければ仲良くできない、不機嫌になるというのは、子供の理論であることを述べた。  今回は、その続きと、共感によるしっとりした友情の面倒くささと、共感ベースによる友情構築の危うさについて考察したい。 ※本項では共感は女、問題解決は男と言う価値観をあえて前提にしている。 <共感できなければ仲良くできないのは未熟 続き>  共感してあげることで

彷徨うおっさん27 昨今の「共感」議論の危うさ(1/4)女性は共感の生き物という考えが曲者

 昨今「共感」が大事という意見を多数耳にする。  確かに、共感は有難い。だが、共感が無ければしらけてしまう、親しい人に共感が得られないと悲しくて腹が立つ、共感の行きつく先の同調圧力や気遣いが悩ましい、果てはモテる男子は共感が上手い、できる旦那は共感もできる、といった批評論調などなど。。。  うんざりするほど、誤った「共感」の意味や価値を煽り広めているように思う。  正直言うと、おっさんはそんな類の共感が無かったからと言ってどうという事はないと思っている。共感は、得られないこ