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彷徨うおっさん29 昨今の「共感」議論の危うさ(3/4)共感しない気遣い
前回は、共感によるしっとりした友情の面倒くささについて述べてきた。
今回はその続きとして、共感の果ての友情の脆さと、共感する気遣いよりも、共感しない気遣いをおすすめしたいということを述べる。
※本項では共感は女、問題解決は男と言う価値観をあえて前提にしている。
<共感によるしっとりした友情の面倒くささ 続き>
いずれにしても席を立って肩を持つか、止めるか、静観するかの動きは本当に人それぞれ、状況によりけりである。
そしてそれでも友情にひびが入ることなど全くない。
共通して言えるのは、気持ちを治める、問題解決して原因が取り除かれるといった、ひとつのケジメの見える結末があることで、そこが共感よりもいくらか生産的である。
一方の所謂女性的な共感によるスタンスは、感情が余計に増幅してしまう。望まないのに心を揺らされ、頭が冷えるわけでもなければ、問題解決もない。
いっそ放っておいてくれれば良いのに、話が余計に大きくなる方向に向かう。
心を揺らされ、行きつく先には友情の決裂すら見えてくるのではないだろうか。
<共感する気遣いよりも、共感しない気遣いが良いのでは?>
女性が共感を選ぶのは「衝突や争いを避けるため」であると説明している書き物が多い。それは確かに一つの方法にはなると思う。男であっても、比較的長く付き合うことになる職場の上司やチームメイト、客先に対しては、関係が浅いうちは、共感や同調によってご機嫌取りをすることは珍しくはない。
だがそれでも、誰に対してもずっと共感の姿勢でご機嫌取りでは保たないだろう。先回りして気遣いして、我慢して、相手を無理に肯定するようなものである。
長く続ける程、我慢我慢の連続が永遠に続く。健全な思考では無理ではないか?まして彼氏や旦那という長く一緒にいるつもりの相手に一時凌ぎでしかないそれをやったり求めたりするか?
また、同じく書き物によると、女性は、嫌なことがあっても「しゃべって共感してもらい発散する」とされている。
一方の男は「黙って問題解決を模索する」のだという。
男女関わらず、しゃべると嫌なことを思い出すし、結局解決にならないなら痛みを反芻するだけではないかとおっさんは思う。一般論とはいえ、なぜこんな価値観だと決めつけているのか。。。
「分からないのはあんたが男だからだろ」と言われるかもしれないが、そもそも本当に、女性とは、男性とは、そこまで違う生き物なのだろうか。
女性はしゃべって共感してもらい、共感することで痛みが分かち合えるかのような言い方をする人が多いが、そう言っているだけで本質は分からない。
ストレス発散している割には、あの時ああだったこうだったと蒸し返すのも女ではないだろうか。むしろ共感することで、余分な感情が増幅しているのではないだろうか。
或いは自分の気持ちを認めてもらう事で、女性はすっきり安心するのかもしれないが、気持ちは別として、本質的に間違ったことをしていた場合は、共感によって感情が増幅し、自己正当化する危険性もある。
折り合いをつけずに自己正当化すれば、不機嫌になった時、解決できていない問題として蒸し返して怒る羽目になる。共感を大事にした結果、むしろ泥沼化した依存の精神状態になっており、それを「しゃべって発散する生き物」と結論しているではないのだろうかとおっさんは疑っている。
また、ある書き物などによると、女性の友情はハムより薄いなどとある。
確かに女性と男性の友情の在り様はかなり違っているようには思う。見るにとても難しいなとも思う。
だが結論から言うと、それは人間関係の構築において、共感ばかり大事にしていることに原因があるとおっさんは考える。
共感重視による気遣いの上に成り立った友情は、多くは対等ではないように思う。
気遣いなく対等で理解しあえたとしても、共感による感情的接触が増えると、常にお互いの感情を揺らすスタンスを取ることにもなって、脆く壊れやすい。
共感してもらった人が自己正当化して感情が肥大化し、手が付けられなくなって友情決裂というパターンも考えらえるかもしれない。
共感による人間関係の有り様を全否定するつもりはないが、これらの共感に纏わる「争いの回避のため」「共感による感情の発散」「薄い友情」といった事例から思うに、共感することはいわば一時凌ぎに過ぎず、単独では問題解決に向けた大人の関係には似つかわしくないように思う。
楽しんだり、慰めたりする分には良いかもしれないが、どちらかというと子供へ向けた愛情表現に近いかと思う。
どういうことかと言うと、共感する気遣いについてまとめることで説明したい。以下のとおりである。
① 相手と一緒に泣いたり笑ったりして幸福を共有する
② 相手を面と向かって否定しないようにして自尊心を傷つけない
③ 他人の心に寄り添って理解を示してあげる
④ 自分との共通点や良い所を探して、認めてあげる
次回に続く