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下川町でお金ではない域内循環を

 お金を稼ぐことが優先される社会によって、世の中がだんだん、おかしくなっている気がする。お金を得るために過剰生産や過剰消費を促し、気候変動や争い、過剰な労働など悪循環を生み、結果的に暮らしづらい社会に向かっているのではないか。
 お金はそれ自体に価値があるわけではなく「互いにできることを提供し、支え合うための道具、感謝を表す道具」であるはず。
 人類が生き続けるため、本来の「お金」の意味、持続可能な暮らしの在り方を見つめ直す時期にあると感じる。

生きていくために大切なことは何か

 筆者も高校生の頃、お金に依存した都会の暮らしに危機感を抱き、25年前に身近な資源を生かした暮らしを求めて下川町に移住した。「生きていくために必要な資源が身近にあること」が重要と思うからだ。
 下川町には豊かな自然、身近な資源を生かした暮らし、顔の見える家族のような地域社会があり、森の恵みと支え合いがあれば人は生きていけることを実感した。 

資本主義社会で失ったものを資本主義社会に基づき取り戻す

 お金に依存せず、物々交換と支え合いで生きてきたが、15年前に地元・下川の方たちから、新聞の地元支局の後継者を求める声を受けて就職。「地域に不可欠な情報源となる本紙に、可能な限り貢献したい」という思いと共に、地域とのつながりを深め、地域にある資源を知り、発掘することにもなるという思いもあった。
 仕事で得る収入は「域内循環」や「持続可能な暮らし」の基盤づくりに投資すると決めた。一定程度の暮らしの基盤を整えたうえで「お金を稼ぐためではない働き方」「枯れ枝や野草・山菜、木の実、シカ肉などあらゆる身近な資源を生かし、互いにできることを提供し合う、域内循環による暮らし方」を目指せないかと考えた。
 これまで仕事をしながら住宅と庭(資源を育む土)、太陽光発電、蓄電、燃焼効率の高い薪(まき)ストーブ、森林、馬など、必要と思う基盤を整えながら、それらの実践を重ねてきた。
 それはある意味、資本主義社会によって奪われた生きるために必要なものを取り戻すことでもあると思う。資本主義社会の中で生きていくために、資本主義社会のルールに基づき取り戻す必要があるのだと思う。
 「物々交換」の暮らしも少しずつ始めている。地域の皆さんと実践しながら「どこまで基盤を整えれば可能なのか」「何と何をお金で循環しないといけないか」「何と何を物々交換で循環できるのか」を探ることで「地域の暮らしの可能性」を追求したい。それが「そこに住むからこそできる暮らし」でもあり、移住・定住・人材確保の促進にもなると感じており、道北、下川町なら可能ではないか。

身近な資源をとことん生かした暮らしへ…

 来春(2024年)から働き方と暮らしを見直し、暮らしに重点を置いた生き方にシフトしていく。収入と仕事を大幅に減らし、暮らしの隙間に仕事をしていく、新たな働き方を追求していく。生涯をかけて「下川の暮らし」の可能性を追求していきたい。
 足るを知り、身近な資源を身近な方たちと、とことん生かしながら、人にも環境にも動植物にも無理のない暮らしを追求していきたい。
 それはきっと苦難も多いが心豊かで楽しく、次の世代へ何かを残せるはずだ。

特に「馬」を生かした暮らしは『馬と共に人が生きることで、人間社会が抱えるさまざまな課題を解決できる可能性があり、心も豊かで地球に優しい暮らしが実現できる』と思う。馬に乗って馬と共にいろいろな場所に移動しながら、人と人、人と自然、さまざまな資源をつなぎ、域内に『好循環』を生んでいきたい。

その後の実践はゆっくり追加で紹介したい。


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