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#97. 3ヶ月ぶりの筋トレで死にかけた、今日の朝


私は一時期、筋トレに本気でハマっていた。
1年くらい前のことだ。

毎日1時間の筋トレを欠かさずやり、プロテインを片手に「筋肉は裏切らない!」と謎のマッチョに通ずる名言を自分に言い聞かせながら必死こいて続けていた。どんなに疲れていても、ウェアに着替えてマットを敷けば、自然とスイッチが入る。なんて言いたいところだが、これは半分ウソ。

実際には、「やるしかない」と自分を追い込み、ひたすらストイックな自分を演じながら乗り切っていた。でも、それが不思議と心地よかった。

筋トレ中は妄想がはかどるのが楽しかったのだ。例えば、「この腹筋を終えたら、宝くじで3億円当たって、好きな人から告白されて、帰り道には偶然パン屋の焼きたてクロワッサンが無料で配られている。」みたいな、ほぼファンタジーに近い未来を想像する。

そんな幸せな妄想をしているうちに、気がつくと筋トレが終わっていて、汗をかいた自分を誇らしく思う。疲労感がじんわり広がるあの瞬間が、たまらなく好きだった。

だが、筋トレ生活は突然終わりを迎える。体調を崩して数日休んだのがきっかけで、ズルズルと3ヶ月サボることに。ここで私の筋肉は「さよなら」と言わんばかりに旅立っていった。(筋肉殿、いずこへ?)

そして3ヶ月後。
久々に鏡を見ると、そこにはぽっこりお腹の自分がいるではないか。体脂肪率、脅威の31%
これはいよいよ笑えない状況だ。慌ててYouTubeを開き、お気に入りの筋トレYouTuber「ひなチャンネル」を再生する。

ひなちゃんの元気いっぱいの掛け声と柔らかな声、そして可愛らしい笑顔。「この人についていけば大丈夫!」と心を奮い立たせ、いざ筋トレを再開した。

が、開始2分で思った。

いやまて、体、重すぎない?

腕立て伏せをしようとするも、腕がプルプル震える。「待ってくれ…こんなはずじゃなかった…!」と泣きそうになる。過去の自分なら簡単にこなせていた動きが、今はまるで拷問だ。汗がポタポタ落ちるたび、私はただ叫びたかった。「誰だよ、筋トレ楽しいとか言ったの!」

3ヶ月のブランクは想像以上だった。前は平気だったプランクも、今や30秒が限界。体中がギシギシ悲鳴をあげ、「もしかして私、もう二度と筋トレができないのでは?」と絶望しかけた。

しかも、やらなかった3ヶ月間の自分を責める気持ちがどんどん湧いてくる。「あれだけ頑張ってたのに、あの頑張りを全部、無駄にしてしまった…」

自分の怠惰を恨みながら、ひなちゃんの励ましの声を聞き流す。

でも、そんな絶望の中でも気づいたことがある。

筋トレって、体だけじゃなく心も鍛えるものだと思っていたけれど、実は違う。心の弱さも、怠け癖も全部が一気にさらけ出される。
けれど、過去に頑張った自分がいたから、こうして再び筋トレをしようと思い立ったのだ。

とか、ちょっといい話っぽくまとめるつもりだったけど、正直そんなことはどうでもいい。

今の私はただただ痩せたいのだ。切実に。
お腹のお肉を消し去りたい。そして顎肉も、腕のプルプル肉も、いち早くオサラバしたいのだ。

このままでは、夏に着たいと思っているワンピースでさえ、ピチピチのボディコンになりかねない。鏡の前でお腹をつまむたび、「頼む、消えてくれ!」と念じている。

そんな必死さが、私をまた筋トレのマットの上に連れ戻すのだろう。

余裕で太れた私なら、痩せるのも余裕だろう。
そういうことにしよう。

というわけで、筋トレ、明日も頑張ります(たぶん)。

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