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不安が強い人に共通する口ぐせと対処法
カウンセリングには不安が強いという方が多くいらっしゃいます。何に不安を感じているかは人それぞれ違いますが、共通してよく口にされる言葉があります。
それは「わからない」と「どうしよう」、この組み合わせである「どうしたらいいかわからない」もとても多いです。
あなたはいかがでしょうか。
不安の対処法
不安の対処法は、不安の中身を具体化していくことなのですが、不安が強い方は、とにかく不安の中身が漠然としています。
私たちはわからないとき不安になるので、不安を漠然としたままにしておくのは自分で不安をかきたてているようなものです。
たとえば、「将来が不安」とおっしゃる方は本当に多いのですが、「将来の何が不安ですか」とお聞きすると、ほとんどの方は「漠然と・・・」か「ぜんぶです」。
たぶん、誰でも多かれ少なかれ将来の不安は感じていると思います。でも、その不安が強い人とそうでない人がいます。何が違うのでしょう。
たとえばお金の不安なら、今の収支と年金や貯蓄などを具体的な数字にして把握すれば、その範囲でやりくりできそうか、もっと節約が必要なのか、あるいは増やすために何かするかなど現実的な問題になり、漠然とした不安ではなくなります。
つまり、不安が少ない人は、わからないことをわからないままにしておかず具体的な問題に掘り下げて解決策を探っていく、「どうしよう」ではなく「どうしたらいいか」で建設的に動いていくんです。
受け身か主体的か
これは、「どうしたらいいかわからない。誰か助けて」という受身的な姿勢と、自分でなんとかしようとする主体的な姿勢との違いとも言えます。
受け身というのは、言い換えれば他力本願、誰かにお任せという依存的な姿勢なので、結局誰かに振り回されて不満やイライラがたまってしまいます。私たちは先が見通せないと不安になりますが、他人任せだとどうなるかわからないので不安になるのは仕方ないのです。
受け身でいるのは、自分で考えて決めて動くことを避けている状態です。たしかに自分で考えて決めて動くことには「うまくいかなかったらどうしよう」や「悪く思われたらどうしよう」などの恐れが伴いますが、そのリスクをとらず他人任せにするのは、代わりに他人の考えや行動に振り回されるというリスクを選ぶことになります。
どっちを選んでもリスクはあります。受け身の方には自分で選んでいるという意識はないかもしれませんが、実は「選ばない」「責任をとらない」という選択をしています。
整理しましょう。
受け身でいるメリットとデメリット
メリット
・自分のことを考えなくて済む
・うまくいかなかったとき他人のせいにできる
デメリット
・他人次第なので振り回されてストレスがたまる
・評価や失敗を過剰に恐れてなかなか安心できない
・どんどん依存的になり自信がつかず不安が尽きない
・うまくいっても自分の力だと思えず自信にならない
主体的でいるメリットとデメリット
メリット
・自分で納得いくまで考えて決められる
・失敗から学ぶのくりかえしで失敗への耐性と自信が育つ
・自己理解が深まり自分の言動に責任がとれる=自信がつく
デメリット
・うまくいかなかったとき他人のせいにできない
人生は選択の連続
どちらを選ぶのも自由です。ただ、どちらを選んでもリスクやデメリットはあります。リスクのない選択はありません。
不安を減らしたければ主体的を目指すことをお勧めします。一般的にカウンセリングが目指すのも主体性の獲得です。
それには、くりかえしますが、「どうしよう」→「どうしたらいいか」、「わからない」→「何が問題なのか」、「私は何を恐れているのか」「私は何を望んでいるのか」など、とにかく自問自答を習慣づけることをお勧めします。
今まで「あの人は・・」とばかり考えていたのを「私はどうなんだろう」と自分について考えるようにしましょう。できれば、言語化してアウトプットするとなお効果的です。