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ルーティンワークをどう評価するか

人事評価制度の改革や設計を行うにあたり、よく問題となるのが、ルーティンワークをどう評価するかです。伝票処理や給与支払、社会保険など経理部門や総務部門、人事部門などに多い、いわゆる事務の仕事や成果をどう評価するのか困っておられる企業は非常に多いと感じます。

営業部門や開発、製造といった部門では成果が明確に測れ、目標管理制度上の目標設定をしやすいことが多いのに対し、事務部門では明確な成果が設定しにくく、通常業務を粛々と進めることが求められることが多いのがその要因です。そうなると当たり前のことを当たり前にやることだけが目標となってしまい、良い評価を得ることが極めて難しくなったり、頑張っても頑張らなくても同じ結果となり、事務に従事するスタッフのモチベーションが下がる要因となりかねません。

こういった事務仕事はいずれRPAなどに代替される可能性も確かにありますが、当面社員が従事せざるを得ないケースも多く、やはり評価の仕方を工夫する必要があります。

事務部門における目標設定のポイントは、ミスなく出来たかといったことに加え「改善・改革・仕組み化」することを必ず取り入れるということです。例えば同じ業務をより短時間で出来るようになる、より少ない人数で出来るようになる、あるいはそもそもその業務が不要になるよう仕組みを変えるといったことを目標にするのです。ミスがそもそも生じにくくなるような仕組みを作ることが出来れば、その貢献度合いは非常に高く評価されるべきです。

事務部門の業務は日が当たらないケースが多く、業務プロセスが旧態依然としていて、昔ながらのやり方に疑問を抱くことなく続けられていることが多いと感じます。意外と入ったばかりの新入社員が「なんでこんなことやっているんですか?」という疑問を投げかけ、「確かにこのプロセスはもう要らないかも」となって業務プロセスが改善されたというケースを実際に見て来ました。あまり評価されることがなく「スイッチを切って」仕事している人が多い職場では、余計にこういったことが起きがちです。

特に最近では、若い社員の方がアプリやウエブサービスなどのITツールに慣れており、それらを活用することで業務の飛躍的な効率化を実現するアイディアを持っていたりします。

どんな業務でも必ず改善・改革の余地があるものです。ルーティンだからと諦めるのではなくぜひ工夫して、事務部門の評価をしっかり行えるようにして頂きたいと思います。

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