『詩』ローラーコースターが遊星を巡る
ローラーコースターが遊星を巡る いつかの日
人魚からもらったチケットを握りしめて カストルと
ポルックスの間のコースター乗り場から
少年は楽しみにしていたそれに乗り込む
ただほんの少し不安げに
怖がることはないさ、と 係員が言うけれど
彼はミノタウロスなので信用できない
世界が、と口にするときその定義は
あんまり曖昧にすぎるので 宇宙のほうが
子どもたちにはずっと近くおもえるのだ
あんな星々のあいだにある 小さな乗り場から
ローラーコースターが発車するのは 子どもたちに
未