石田 康平

研究者/デザイナー。博士(工学)。未来の建築やVR、MRなどが中心。東大建築学専攻長賞、新建築コンペ最優秀賞ほか。クマ財団2期クリエイター(1800人以上→50人)。トヨタドワンゴ高度AI人材認定。DC2。ex Takramインターン。思考のまとまりをnoteで。

石田 康平

研究者/デザイナー。博士(工学)。未来の建築やVR、MRなどが中心。東大建築学専攻長賞、新建築コンペ最優秀賞ほか。クマ財団2期クリエイター(1800人以上→50人)。トヨタドワンゴ高度AI人材認定。DC2。ex Takramインターン。思考のまとまりをnoteで。

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  • 2025年3月に「夢における空間論」を書き上げるまで

    旧「2023年3月に博士論文を書き上げるまで」。博士論文を書き上げるまでの日々を綴っていました。今は延長戦中です。月に1回フランクな研究報告書がとどきます。どうVR×建築の研究がまとまっていくのか。研究のテーマや進捗などがメインです。

  • 人気noteリスト

    はじめての方にぜひ読んでいただきたい主要なnoteをまとめています。

  • 「今月のよかった本リスト」まとめ

    毎月、読んだ本から5冊を選んでおすすめしているシリーズのまとめです。いろんな本を知りたい方はぜひ。

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受賞論考の全文公開〜夢の中で暮らすことから始まる都市の公共性のこれから

この論考は、僕が2021年5月から7月にかけて書き上げたものだ。 「新建築論考コンペティション」というコンペが開催されることを知り、それに参加するために執筆した。 結果としては1等(最優秀作品)に選ばれ、『新建築』という雑誌の2021年10月号で巻頭論文を飾ることとなった。 このnoteでは、その論考の全文を公開している。 コンペのテーマと審査員論考は、論文よりもゆるく、エッセイよりも硬い文章のイメージである。 自分の主観も込めながら、ある程度論理性のあることをしっ

    • 研究日記2024年10月の報告書。

      Hills Breakfast登壇今月のHills Breakfastに登壇した。会場は虎ノ門ヒルズ。朝は早かったが面白かった。実験YouTuberとしての資金を株で稼ぐたんくんさん、発達特性のある小児の課題に取り組む医者の西村さん、着物の文化を伝える伊藤さんとの登壇だった。皆さんのお話が面白かった。着物は、鏡を使わないで着付ける方が綺麗に着られるという話などが印象的だった。 クマ財団同期の團上君が朝から聞きにきてくれていた。朝早いイベントだったので、彼は朝ごはんのパンとヨ

      • 二重人格、ではなく炎〜『JOKER フォリ・ア・ドゥ』評

        『JOKERフォリ・ア・ドゥ』は、完璧な続編であり傑作だった。素晴らしかった。しかし前作『JOKER』のようなわかりやすさや、ある種の破壊の快楽のようなものはこれっぽっちもなかった。むしろ『フォリ・ア・ドゥ』は前作に熱狂した人々に真正面から中指を突き立て突き放し、作品を2作品全体で、これまでと全く異なる厚みの中で完成させてしまう。そういう作品であった。そしてその意味において傑作だった。 『フォリ・ア・ドゥ』はただし、かなりハイコンテクストな作品ではある。特に前作のいくつかの

        ¥500
        • 研究日記2024年9月の報告書。

          今月は素晴らしい本や作家に出会えた月だった。月の前半は忙しかったし、全体的に細々とやることはあったが、あまり記憶がない。月の前半と後半で大きく印象が分かれていて、前半はもう2ヶ月か3ヶ月ほど前のように遠く、後半は眠ってばかりいたので記憶が曖昧である。正確に言えば後半は、一日12時間くらい寝ていたものの10時間くらいは作業していたし、色んなことを考えていたはずなのだが、あまり印象に係留していない。そして本ばかり読んでいた。そのことだけを覚えている。 今月読んだ書籍『なつかしい

        • 固定された記事

        受賞論考の全文公開〜夢の中で暮らすことから始まる都市の公共性のこれから

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        • 2025年3月に「夢における空間論」を書き上げるまで
          ¥100 / 月
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        • 「今月のよかった本リスト」まとめ
          6本

        記事

          研究日記2024年8月の報告書。

          宮大工棟梁・西岡常一さんのこと今月、最後の宮大工といわれる西岡常一さんのことを知った。西岡さんは元々法隆寺の修繕をする宮大工の家系に生まれた人である。のちに薬師寺の西塔の再建にも尽力された。西岡さんのお話はYouTubeでもみられるし、Amazon プライムでドキュメンタリーを観ることもできる。どうして知ったかというと、井伏鱒二の話し方が急に知りたくなってYouTubeの動画を漁っていた時に、偶然おすすめに出てきたのであった。 やはり卓越した木についてのお話が面白かった。法

          研究日記2024年8月の報告書。

          研究日記2024年7月の報告書。

          はじめに今月はなんだか早かったような気がする。印象的なこととして、畑田君と収録しているPodcastの収録を3回連続で失敗した。一度目は僕が寝坊してしまい、二度目は僕自身の研究についてのディスカッションが白熱しすぎて、4時間ほど話しっぱなしでPodcastの収録はできずに終わった(有意義ではあった)。三度目は予約したはずの部屋が取れていないトラブルがあり収録できなかった。僕は一か月ほどの間、あまり人と話さない。そのため畑田君と話すとディスカッションでえらいことになる。まずは僕

          研究日記2024年7月の報告書。

          研究日記2024年6月の報告書。

          時代を考えることについて現代は、時代を考えることにリアリティがなくなった時代、と言えるのではないかと思う。自分はどこから来てどこへ行くのか。時代をどう掴まえ、どう応答するか。そういう問題と個の存在が離れてしまった。その結果として現代の多くの言説はふわついていて、足場がない。 LLMもApple Vision Proも、正直なところ、そういうのもういいよと半分では思っている。技術を持て囃すだけの愚な議論にもう飽きた。皆は飽きないのかしら? 長く作業をするときに、よく宮崎駿さ

          研究日記2024年6月の報告書。

          既往研究のリサーチの基本~これから修論や卒論を書く人へ

          このnoteでは、既往研究や文献、事例のリサーチの仕方について整理します。研究を始めるにあたりまず必要になるスキルかと思われます。主に卒論、修論を書いている人向けですが、リサーチの手法自体はビジネスやデザインに関わる人にも参考になるのかもしれません。このnoteでは、「いかに深ぼって既往研究のリサーチを進めるか?」ということを主題にしたいと思います。 基本的な考え方:リサーチの3stepおおよそのイメージとして、リサーチを3段階に分けてみました。 Step1:「浅いキーワ

          既往研究のリサーチの基本~これから修論や卒論を書く人へ

          研究日記2024年5月の報告書。

          今月も実に暇だった。暇すぎて心の調子を崩した。そんなことってあるのかと思った。いや暇すぎたせいなのかはわからないけれど、とにかく調子は変だった。5月の中旬くらいに、毎日驚くほど頭が痛く、やる気は出ず、上半身の両腕あたりの表面が、熱を出した時のようにおぼろげで悪寒が走り、座っても寝てもいられなかった(と言っても熱はないし、下半身は普通だった)。白花油を額に塗り、親の仇のように香をこれでもかと焚き続け、頭痛薬をしこたま飲み、リポビタンDをごくごくと何本も流し込んでなんとか座ってい

          研究日記2024年5月の報告書。

          建築分野におけるApple Vision Proの活用可能性に関する考察

          2024年に発売された「空間コンピューティング」デバイスであるApple Vision Proは、その解像度の高さやUIクオリティの高さから世界各国で注目を集めている。日本での発売はまだであるが、幸運にも先日体験することができたのでその体験をもとに本稿を記したい。 筆者はこれまで6年近くにわたり、共同研究者らとともに建築分野(特に設計)におけるVR/MR技術の活用に関する研究を行ってきた。具体的な成果としてはVR/MRを用いた体験が建築設計プロセスにおける対話に対して与える

          建築分野におけるApple Vision Proの活用可能性に関する考察

          現代版『方丈記』としての『PERFECT DAYS』とその音楽表現

          はじめにヴィム・ベンダースにより監督された映画『PERFECT DAYS』は、東京に暮らすトイレ清掃員・平山の日常を描いた作品である。 劇中に登場するトイレは「The Tokyo Toilet」というプロジェクトの中で製作されたもので、これは渋谷区を中心として公衆トイレを美しくリデザインしていく取り組みとして展開されている。そこには槇文彦や安藤忠雄、伊東豊雄といった世界的な建築家や佐藤可士和などのデザイナーらが参画し、一般に汚くやや危険なイメージのある公共トイレのあり方を一

          現代版『方丈記』としての『PERFECT DAYS』とその音楽表現

          研究日記2024年4月の報告書

          この4月のことこの1ヶ月は自分でも驚くほどに何もなかった。仕事が決まったりはしたし、研究員の仕事は(多少は)していたけれど、とにかく暇だけがあった。3月末から4月初旬にかけていくつかの重要なメール(その中には設計事務所で働いてみたいという相談のメールもあったし、頼まれていたことへの返答もあった)を送ったけれど、多くの人の4月の忙しさのせいか、メールの内容が悪いのか、ほとんど返信は返って来なかった。エアポケットに入りこんだように、ほとんど誰とも会わず、何も起きなかった。 本だ

          研究日記2024年4月の報告書

          研究日記2024年3月の報告書

          今月は異様にのんびりしていた。ほとんど大人の夏休みだった。モラトリアム。もちろん仕事もしていたけれど、それよりも膨大に本を読み、展覧会を訪れ、いくつかの文章を書いた。たくさん読み、なにかを書いてみるほどに、自分が何を考えようとしているのかよく分からなくなった。たくさん考えたような気もするし、何も考えていなかったような気もする。時間は溶けた気もするし、長かったような気もする。一人になると、時間感覚はバグって長短のコントラストが異様にくっきりとして記憶が朧げになる。 そういう1

          研究日記2024年3月の報告書

          イイ感じの本は読みたいけど難しすぎるのはご勘弁!というあなたに向けたおすすめ本リスト

          「イイ感じの本は読みたいけれど、難解な本はちょっと無理です!」というあなたに向けたブックリストです。 本棚に並んでるとなんか豊かで、ふと思い立った時に読みたくなるような本。読んだあとに、ちょっと賢くなった気になれる本。 そういうのを集めました。 4冊に絞りました。10冊も20冊もあっても、解説も大変だから。 じゃ、はじめます。 1. 日本の色辞典(紫紅社, 2000年)染色家の吉岡幸雄さんによる、日本の色の辞典。 服を買いに行ったり、雑貨をみたりするとき、「あ、こ

          イイ感じの本は読みたいけど難しすぎるのはご勘弁!というあなたに向けたおすすめ本リスト

          研究日記2024年2月の報告書

          1. 東京都現代美術館での展覧会、大詰め現在、自作を3作品展示中の東京都現代美術館にて、2月23日、2月24日にギャラリーツアーを実施した。23日に1回、24日に2回実施し、各回ともに20人から30人の方が参加してくださったようだった。 3月2日にも1回、3月3日にも1回ギャラリーツアーを実施する。Virtual Renovationのデモも、特段トラブルがなければ、この機会にのみ体感してもらえる。 日時|①3月2日(土)16:00~ ②3月3日(日)17:00~ 各回1

          研究日記2024年2月の報告書

          研究日記2024年1月の報告書。

          12月からコンペに取り組んでいるものの、うまくまとまらずにパニック気味。考えた内容やアイディアは沢山あってもプレゼンとしてうまくまとめられない。難しい。パニック気味な月末。 ツイートで自分を奮い立たせてみたが悪手だったかもしれん。 新建築の巻頭論考の執筆新建築の原稿を急に書くことになって、10日ほどで書き上げて一週間ほど細かくやり取りして校了した。内容は、博士論文で考えたことをまとめた。期間こそ短かったものの大変貴重な機会でありがたい限りだと思った。 そういえば、このn

          研究日記2024年1月の報告書。