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小説「天蓋のジャスティスケール」完結編

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『天蓋』 は、選ばれた『選人』とそれに関わる人間しか入れない特別な場所。 選人は天蓋の奥深くに封印され、わざわいをよぶものを封じる蓋の役割を担う。 選人に選ばれてしまった不運…
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#声プラ

Third memory Last

「おう! 男に二言はねぇ」    順番は、逆になってしまったけど、でも、サロスの本音が聞ける…

Second memory(Sarosu)Last

 そして、ピスティはその好きなやつについて話し出した。最初は、頭ん中でそいつを思い浮かべ…

Second memory(Sarosu)22

 今、俺の目の前には――ヤチヨがいる――。  どういうことかはわかんねぇけど……思わず、…

Second memory(Sarosu)15

「ねぇ……サロス。一つ、質問してもいい?」 「んっ? なんだ?」 「サロスは、ヤチヨが幸せ…

Second memory(Sarosu)12

「なーに、そんなとこでぼーっとしてるの?」 「ピスティか……もう気は済んだのか?」    突…

Second memory(Sarosu)01

「はぁ、、どうすりゃ良いんだよ」  隣には、泣いているヤチヨ、辺りは真っ暗。  珍しくヤチ…

First memory(Hinata)17

「フィリアは、あたしの子供欲しくないのかーざんね――」 「ヒナタとの子供なら僕は、どっちだって構わないかな」 「へっ?」  素っ頓狂な声が思わず出た。 「男の子でも、女の子でも、何人いてもいい。きっとどんな状態でもそれはきっと幸せな家族が出来ると思うから」 「そっ、そうね……」  いざ答えられるとそれ以上は何も言えず、私はただマグカップの紅茶を飲んで徐々に赤くなっていく顔を悟られないように隠した。 「あっ、名前……」 「えっ?」 「名前は、どうしようか?」  フィリアが、目

First memory(Hinata)16

「ヒナタ、僕も君が好きだ」  自分の耳を思わず疑った。彼は、今、何と言ったのだろうか?  …

First memory(Hinata)15

「ヒナタ!!」  今、一番会いたくない人が目の前に現れた。真っ赤に泣きはらして腫れている…

First memory(Hinata)14

「あなた、フィリアのこと好きなの?」  握っていたペン先がバキリと音を立てて壊れた。 「ち…

First memory(Hinata)13

「はぁ、疲れた……」  疲労した体は私が思っていた以上に重くシャワーすら浴びる気力が起き…

First memory(Hinata)12

「あの日……サロスとの最後の勝負の時。初めて、僕は彼に勝ちを譲ろうとした。きっと、サロス…

First memory(Hinata)11

「そろそろ帰ろうか。ヒナタ」  私が言い出す前に、彼がその一言を口にした。もう、学院内で…

First memory(Hinata)10

 フィリアもきっと私と同じなんだろう。ヤチヨちゃんとサロスがいなくなってしまってどうしたらいいか本当はわからない。多分、自警団に入るという決断も彼が彼なりに今、自分ができることを模索した結果なのだろう。誰にも相談せずにフィリアがひとりで決めたこと。  フィリア自身も一人になることで……ヤチヨちゃんやサロスと同じ状況で……戦うと決めたこと。  だったら私に今、できることは……? 「ねぇ、フィリア」  そう言ってフィリアの方を向く。 「なんだい? ヒナタ」  フィリアは落ち着