武術と型の学校 古伝体術 中野由哲

古伝体術心水会を主宰している中野由哲です。趣味で初めた武術を探求すること約30年。いつのまにか技術や方法論を語り、指導することが出来るようになりました。今までに本2冊、DVD2本をBABジャパン様より出版させていただいております。現在は武術の本質に基づく技術をお伝えしています。

武術と型の学校 古伝体術 中野由哲

古伝体術心水会を主宰している中野由哲です。趣味で初めた武術を探求すること約30年。いつのまにか技術や方法論を語り、指導することが出来るようになりました。今までに本2冊、DVD2本をBABジャパン様より出版させていただいております。現在は武術の本質に基づく技術をお伝えしています。

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最近の記事

空手・平安の型を使えるようにするために

今回は空手・平安四段に出てくる「上段受け・手刀突き」の構えについて古伝体術流に解釈したいと思います 空手の型の解説ですが、中国武術の手先・足先・鼻先が一致する「三尖相照」というものを意識して構えます。 『memo』 ~三尖相照とは~ 中国武術の伝統の教えのひとつ。 指尖、鼻尖、足尖(三尖)が縦一線上にそろうこと。 それによって身体がまとまりひとつになる感覚が生まれ衝突しない貫通する力が発生するようになります 空手でもこの感覚を用いることによって型の意味がより深く理解でき

    • 「避ければ避けられず 避けなければ避けられる」武術の入身を可能とする意識とは!?

      古伝体術の中野由哲です。 武術における入身を可能するためには 自分の意識状態をどうするかにカギがあります。 相手を意識して、攻撃を避けるまたは捌く という意識を用いると無意識状態で相手との 衝突が生じます。 そこで、自我を消して「捨て身になる感覚」となれると相手とのぶつかりがなくなり入身することが可能となります。 この時の感覚が調和の波動となり相手との衝突を 消してくれるようになります。 「闘う」意識ではなく「失礼します」といった感覚になれると衝突が消えていきます。

      • ~ぶつかりのない自身を得る~武術の型稽古で得られる姿勢とは!?

        古伝体術の中野由哲です。 武術では相手と衝突を起こさずに、つまり相手とぶつかり合いを起こさずに技をかけることが理想だと仮定します。 それにはどうすれば良いのか? それには自らの放つ「波動」というものをぶつかりの ないものへと変換させる必要があります。 そのぶつかりのない波動こそ「調和の波動」だと考えます。  その自身のぶつかりのない姿勢(感覚)を得られ、 その感覚のまま動ければ相手との衝突は起こらなく なるとの理論が成立します。 しかし、それはあくまでも理想であり

        • 自我を消す=自分が無くなる=敵も無くなる=無敵 この境地へ至る為の型稽古とは!?

          古伝体術の中野由哲です。 今回は刀を扱う時の意識について検証した動画となります。 「自分が刀を操作する」という意識の場合、 自分が刀の支配者となりコントロールするという 波動が生じるために刀とのつながりが出来ずに 衝突を起こします。   その衝突の波動がそのまま相手へ伝わるので ぶつかり合いとなります。 逆に「自分が刀に操作される」という意識の場合、刀と自分は対等という波動が生じる。これが調和の波動となり衝突がなくなる。 これが柔(やわら)を主体とする 柔術技法の根幹にな

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        • 武術の型で姿勢を得るということ
          0本
        • 「抜き」と「螺旋」で武術は拓ける!?
          0本
        • 空手 三戦の型から姿勢から出る力を得る
          2本
        • 引っ張られる感覚があなたの武術を変える!?
          1本

        記事

          武術が求める波動を人間関係で考えてみる

          古伝体術の中野由哲です。 武術の型稽古によって「居着きがない」感覚を得られると相手との衝突が起こらなくなるという現象が生じます。 これは、居着かない感覚を体得することによって 自身から放たれる波動が「衝突のない」 ものへ変換するからだと考えています。 つまり、相手をいかにコントロールするかではなく、 自身のあり方が大切となってきます。 これは人間関係などでもよく言われることですが 「相手を変えようとせず、まず自分が変わること」 自分が変わることで周囲へ伝わる波動が変わ

          武術が求める波動を人間関係で考えてみる

          武術が求める波動とは「打ち込む」「差しあげる」どちらを選ぶ!?

          古伝体術の中野由哲です。 武術の修練をされている方なら誰もが 「もっと上手になりたい」 「どうすれば先生のようなことが出来るようになるのか」 このようなことを思われた経験があるかと思います。 私自身、そのことで散々悩みました。 先生と同じようにやっているのに再現出来ない事が、本当に謎でしたし、自分の不甲斐なさに悔しい思いをしてきました。 そこから何年も経ってようやく、自分と先生との結果が違っていたのは、そこから発する「波動」が全く違っていたことが大きな要因だと理解出

          武術が求める波動とは「打ち込む」「差しあげる」どちらを選ぶ!?

          武術で求められるのは「自分が動かされる」ということ!?

          古伝体術の中野由哲です。 武術の修練をされている方なら誰もが 「もっと上手になりたい」 「どうすれば先生のようなことが出来るようになるのか」 このようなことを思われた経験があるかと思います。   これは当たり前ですが、あなたは自分の身体を動かす時に自分の意思で行っていると思います。 ところがその「自分の意思」が相手との衝突を生み出しているかもしれません。 ですが,実はその「意思のあり方」を変更することで 術技を上達させることが可能となります。 通常は自分の身体を

          武術で求められるのは「自分が動かされる」ということ!?

          武術は空間と一体化すること!?

          こんにちは。 古伝体術の中野由哲です。 武術の修練をされている方なら誰もが 「もっと上手になりたい」 「どうすれば先生のようなことが出来るようになるのか」 このようなことを思われた経験があるかと思います。 実はそれって、自分から離れることによって達成しやすくなるかも知れません。 自分から離れる? なんだかよくわからないかと思います。 簡単に言うと「自分が」とか「自分で」 といった、いわゆる自我というものを消すために 自身から離れる感覚になるということです。

          武術は空間と一体化すること!?

          武術も生き方も「姿勢」で決まる!?

          こんにちは。 古伝体術の中野由哲です。 全ての武術の型稽古において「姿勢」というものをしっかり意識して形をつくります。 姿勢が定まると自身の中にぶつかりがなくなり、つながった感じを得られるようになります。 この「つながった」感じというのがエネルギーが通った状態だと考えております。 その「姿勢」によって得られるぶつかりのない感じが相手とのぶつかりも消してくれるようになるので、結果として投げや崩し技が出来るようになってきます。 このぶつかりを消す感覚を得るための型だと

          武術も生き方も「姿勢」で決まる!?

          「姿の勢い」を知る~武術は姿勢を整えることから~

          こんにちは。 古伝体術の中野由哲です。 「姿勢が良い」 「姿勢を整えて」 「学ぶ姿勢が出来ていない」 「姿勢が高い」 などと、武術に限らず体技において「姿勢」という 言葉は耳にすることが多いかと思います。 「姿勢」という言葉は"姿の勢い"と書きますが、姿から勢いが出ることで相手に影響が伝わるようになります。 その状態になるための「姿勢」づくりを、武術のあらゆる型稽古によって学習していきます。 武術の型ってどうやって使うの? この型稽古がどのように実用へつながるのか

          「姿の勢い」を知る~武術は姿勢を整えることから~

          ゴール設定によっておのずとやることは決まってくる

          古伝体術の中野由哲です。 あなたが何か物事を始めようとした時にゴールをイメージしたことはありませんか。 例えばダイエットなどで 「3ヶ月後に10キロやせる!」 などや、英語の勉強を始めた時に 「3年後に英検2級を取得する」 などといった目標(ゴール)を立てる方は多いかと思います。 目標を決めた場合とそうでない場合とでは、ゴールを明確にした方が確実にモチベーションもあがると思います。 武術修行の場合も同じだと思いますが、例えば空手や柔道を始めた方が「3年後には黒

          ゴール設定によっておのずとやることは決まってくる

          太極拳が使えるようになるための「ゆだねる意識」とは!?

          こんにちは。 古伝体術の中野由哲です。 「太極拳」という言葉にあなたはどんなイメージを持っていますか。 中国で老人などが公園で行っている健康体操 ゆったりとした動作が健康に良さそう 健康には良いのだろうけど武術としては使えない などなど、ガチガチの武術として太極拳をイメージする方というのは少ないかと思います。 ですが、北京にて太極拳を世に広めた楊露禅という人は「楊無敵」と形容された程の物凄い達人として有名ですし、その息子の楊班候と楊健候、さらにその息子の楊澄甫も高い

          太極拳が使えるようになるための「ゆだねる意識」とは!?

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          剣との一体化の感覚が相手との一体化となる!?

          古伝体術を実際に体験してくださった方のブログです ~本当に強くなる一人稽古 - 武道の「型」が秘めた“体内感覚養成法” https://ameblo.jp/yuruidojo/entry-12669936117.html~

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          剣の握りから得られる剣術と柔術との関連とは

          剣の握りに限らず握るという行為において、通常は小指を締めるなどといった意識で行うことが常識となっていると思います。 柔道や相撲などでは小指を締めないことにはどうにも力が入りません。ですが「抜き」の術技においては力を入れることが目的ではなく「抜く」ことを目的としております。 それを達成するために「人差し指と親指でつまむ」というような感覚で剣と接する(握るという感覚ではないのでこのような表現とします)と剣との衝突がなくなり、結果として相手との衝突もなくなるという結果が得られます。 このことが剣術と柔術(体術)をつなぐヒントになるのではないかと思っております。

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          中国武術から学ぶ縦の身方とは!?

          中国武術に「丹田功」という尺取虫のような身法を用いる訓練法があります。この動画ではその丹田功の身法から得られる内面感覚を用いての実験を行っております。 丹田功の訓練から、中国武術において用いられる「含胸抜背」という姿勢が相手との衝突が消えてつながりができるといういうことが理解できるようになります。

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          人体の要「腰」の感覚を得ることで武器は手の延長となる!?

          全身を一体化させる、つまり、上半身と下半身をつなぐための大切な要素として腰の感覚(姿勢)を得ることが必要となります。そのことを学習するために武術の型稽古があるのではないかと思っております。型によってまさしく「全身が一体化するための形に当てはめていく」こんなところに気づくと型稽古の奥深さや楽しさが理解できるようになり、型にハマりこんでいくことになります。

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