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古寺巡礼

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古社寺への巡礼記録、古社寺・宗教美術にまつわる展示の鑑賞記録
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記事一覧

信貴山縁起絵巻 特別公開「延喜加持の巻」:1 /朝護孫子寺

 米倉や米俵が空を飛ぶ場面でよく知られ、日本の絵巻物の最高峰のひとつとされる国宝《信貴山…

法隆寺を彩る動物たち /法隆寺大宝蔵殿

 11月2日は、5年ぶりに法隆寺へ。  この日を選んだ理由は、3つある。  ひとつは、上御堂(…

大和郡山・城下町さんぽ:2 聖と俗の街歩き

(承前)  近鉄線の西側は西ノ京丘陵、その上に郡山城があり、東側は平地の城下町になってい…

木津川の古寺巡礼:5 旧燈明寺・現光寺

(承前)  浄瑠璃寺の門前から再びバスに乗り、山中を抜けて、木津川沿いの盆地まで下りてき…

木津川の古寺巡礼:3 浄瑠璃寺・上

(承前)  岩船寺のご本尊は丈六の《阿弥陀如来坐像》(平安時代  重文)であり、周辺の石…

木津川の古寺巡礼:2 当尾・石仏めぐり

(承前)  岩船寺門前の集落から、山へと分け入っていく。  ここ当尾(とうの)の里をかつ…

木津川の古寺巡礼:1 岩船寺

 京都府の最南部=「南山城(みなみやましろ)」には、魅力的な古刹・古仏が多く、大和国とはまた違った、かといってオーバーツーリズムの京都市内とはもっと異なる空気が流れている。  恒例の「秋の特別公開」に合わせて、奈良市のお隣・京都府木津川市内の4つの古寺をまわってきた。  越県とはいっても、岩船寺(がんせんじ)や浄瑠璃寺のある「当尾(とうの)の里」までは、近鉄奈良駅発のバス路線が至便であった。どうも廃止されてしまったらしい……かろうじていまの時期は「お茶の京都  木津川古寺巡

南明寺の御開帳と、コスモスまつり 奈良・柳生

 大和路には、コスモスの名所といわれる場所がいくつかある。  奈良阪の般若寺、斑鳩の法起…

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「コスモス寺」般若寺

  「コスモス寺」として有名な般若寺に行ってきた。コスモスの季節にうかがうのは初めて。 …

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平城宮跡から、足を延ばして くるみの木~不退寺~古墳群

 平城宮跡を自転車で流したあと、日没までなお時間があったため、もう少し寄り道をしていくこ…

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石上神宮の禁足地へ 奈良・天理

 けっして立ち入るべからず……そのように言い伝えられてきた土地を「禁足地(きんそくち)」…

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文明の十字路・バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 ガンダーラから日本へ /三井記念…

 中華料理を出すファミレスの名として、日本ではもっぱらおなじみのバーミヤン……と書き出そ…

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物、ものを呼ぶ ―伴大納言絵巻から若冲へ:1 /出光美術館

 長期休館前の一大シリーズ企画「出光美術館の軌跡 ここから、さきへ」の第4弾、トリを飾る…

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禅宗の美:2 /大和文華館

(承前)  中国の伝説上の仙人たちは、禅者の理想像として、さかんに絵画化された。  雪村周継《呂洞賓(りょどうひん)図》(室町時代  重文)は、本展のメインビジュアルに起用されるように、たいへん強い印象を残すもの。  小瓶から召喚された子どもの龍の繊細な筆遣いに比して、呂洞賓の衣文線のなんと墨色鮮やかで、大胆なことか。それを引き立てるのは、呂洞賓の奇矯なポージングと暴風であろう。  イナバウアーのようなポージングと手の形を、作品の前で(こっそり)真似してみたが、こうも上手