Kitsune-Kaidan (狐怪談)

実話怪談、フィクション、ファンタジー、お化けの話、人怖、スピリチュアルな話、絵本など……

Kitsune-Kaidan (狐怪談)

実話怪談、フィクション、ファンタジー、お化けの話、人怖、スピリチュアルな話、絵本など…、不思議で怖い話にまつわることを書きます。オリジナルの挿絵やアートも作っています。

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「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」 第1話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品) CW

あらすじ 主な登場人物 プロローグ・コダマの死 コダマが死んだ。 身体の震えが止まらない。春先の肌寒さで震えているわけでもなければ、訃報のショックで震えているわけでもない。心の中に秘めた怒りが静かに震えているのだ。私はその怒りを、真っ白な布でおくるみのようにぐるぐる巻きにして、頑丈な木製の棺に収めた。そして、その上から鎖を巻きつけ、重い南京錠を何個もかけ、心の奥底にそっと埋葬していた。その存在を誰にも知らせず、ずっと暗い心の隅に適当に埋めたままだった。その棺が開け

    • 「コンタクト」 実話ショート怪談

      はじめに:UFO これは私(Kitsune-Kaidan)が体験した実話ショート怪談です。 海外では未確認飛行物体(UFO)などの存在について正式に報道していますし、日本でもそのような報道が少しずつ増えてきているように思います。私はスカイピープル・宇宙人的な存在を肯定しています。むしろ、自分も元はそうなのだと思っています。それでは、実際に宇宙人的なものに遭遇したことがあるか…。答えはイエスです。 数年前のある晩、私は仕事で疲れていたので早めにベッドに入ることにしました

      • 「元カノ」 実話ショート怪談

        はじめに これは私(Kitsune-Kaidan)が体験した実話ショート怪談です。みなさんは生き霊の存在に脅かされた経験はありますか?私は残念ながら何度か体験したことがあります。 「生き霊は幽霊よりも厄介だ」 そんなふうに感じる人も少なくないのではないでしょうか。確かに生き霊はお化けとはまた違った不思議な存在です。実際に生き霊のせいで体調を崩してしまうという話もよく耳にするので、侮れない存在だと思います。 この怪談は私をターゲットにした生き霊ではなかったため、心や

        • 「神社の突風」 実話ショート怪談

          はじめに これは私(Kitsune-Kaidan)がある神社を訪れようとした時に起こった、『神社で吹く風』にまつわる不思議なショート怪談です。 私たちは日々の暮らしの中で『相性が合う・合わない』という表現をよく使います。例えば、人間関係、土地、建物、身につけるもの、音楽、食べ物などなど…。日頃から相性について何気なく考える機会がわりと多いのではないかと思います。それでは、神社との相性はどうでしょう。 「日本人はどうして神社やお寺に行くのに信仰心がないと言うの?」 海

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        「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」 第1話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品) CW

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」 あとがき・怪談長編小説(note創作大賞2024ミステリー小説部門に応募とその後…)

          はじめに note創作大賞2024・ミステリー小説部門に出品した怪談長編小説「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」は、私(Kitsune-Kaidan)の実体験をベースに書き上げた作品です。小説の約80%は実際の経験に基づいています。今回は、あとがきとして後日談をお話ししたいと思います。 小説化した経緯 私がなぜこの作品を書こうと思ったのか…。その理由は小説の冒頭部分にも書かれているように「ずっと暗い心の隅に適当に埋めたままだった」という表現に通じる。高校教師と部活顧問に

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」 あとがき・怪談長編小説(note創作大賞2024ミステリー小説部門に応募とその後…)

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」 最終話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品) CW

          虚無感 パトカーの赤色灯が、桃色の夕焼け空を照らしていた。 若手の岡島刑事が中心となって、事情聴取と現場検証が長時間に渡って行われた。教頭室の奥の部屋、そう、コダマのあの監禁部屋に部員がひとりずつ呼び出されていた。 私は恐怖と不安でパニックになり、足の震えと冷汗が止まらなかった。あれ以来、密閉された空間が怖くてたまらないのだ。中に入れずに廊下で立ち尽くしていた。 シワだらけのヨレヨレのコートを着ている岡島刑事は、パイプ椅子に浅く腰かけている。挑発するような態度

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」 最終話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品) CW

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」 第8話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品) CW

          悪夢 誰もいない教室の中に般若のお面をつけたコダマがいる。教壇の上からコダマが私の成績表を床に落とす。ヒラヒラと床に向かって落ちていった成績表を慌てて拾おうとすると、コダマはゲラゲラと笑いながら私の指を踏みつける。 「痛いっ」と、私は叫ぶ。 般若のお面をかぶったビキニ姿の女子生徒たちが突然現れ、私を嘲笑っている。コダマは女子生徒の体を触りながら、ヨダレをたらして高笑いしている。そして、彼女たちが持つ三宝の上に置かれた成績表を鷲づかみにし、ひっきりなしにそれらを撒き散

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」 第8話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品) CW

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」 第7話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品) CW

          スキー旅行 私たちは無事に冬休みを迎えた。駅前で待ち合わせ、それぞれ好きなお菓子や飲み物を買い込み、六人、いや七人でバスに乗り込んだ。紀香と彼氏、私と信玄、バナ先輩の横は空席があり、通路を挟んで幼なじみが座っている。もちろん、その空席にはヨウコ先輩が座っていた。 紀香と彼氏にヨウコ先輩のことを紹介したことはなかったが、ふたりとも感がいいのでなんとなく察知していた。バスの中は、例の不気味なメモの話で盛り上がった。 「これで、マキさんとホソカワもつながったってわけか」

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」 第7話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品) CW

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」第6話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品)CW 

          謎を解く 昼休み、私たちはいつもの用具室の前の廊下に集合していた。初めて噂のボッコリ現象を目撃した信玄と幼なじみは、目をまんまるにしていた。ヨウコ先輩の姿が見えないのが残念だと、幼なじみがボソッと言った。 「ご存知の通り、ヨウコは自殺じゃない」 バナ先輩は堂々と言った。私たちはいっせいに頷いた。黙って首を縦に振るヨウコ先輩の顔には安堵の様子が見えた。みんなの理解を得られたことが嬉しかったのだろう。 「ヨウコ先輩も頷いています」と、私は手短に通訳した。 「問

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」第6話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品)CW 

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」第5話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品)CW 

          アニメ部訪問 一階の用具室の近くにあるガラスケースの前に、私は立っていた。軽い金縛りになった後、ボッコリが現れた。そして、いつものように背後からバナ先輩が現れ、ボッコリの方を再び振り返ると、ヨウコ先輩が立っていた。 「本当は、ヨウコ先輩のこと、見えてるんじゃないですか?」 登場するタイミングがあまりにも良すぎる。合わせているのではないかと疑うほど、ふたりの息はぴったりだ。だからこそ、ふたりがこの世でもう一緒にいられないことを思うと切なくなった。 「さてと、さっ

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」第5話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品)CW 

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」第4話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品)CW 

          バナ先輩の彼女 「ハハハ」 一部始終を見ていたバナ先輩が、私の情けない表情を見て笑っていた。ただでさえ毎日暗い部活に耐えているので、これ以上ショックな出来事を増やしたくなかった。笑い飛ばしてくれる人がいたことが救いだった。私の代わりに信玄に謝ってもらうようお願いした。 「そういうのは、自分で謝った方がいいよ」と、あっさり断られた。 バナ先輩は、今度機会を作ってあげるから、自分の言葉で謝るよう提案してくれた。そして、ちょっと悲しそうな顔をしてこう言った。 「懐

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」第4話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品)CW 

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」 第3話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品)CW 

          ゴミ屋敷訪問 まだ残暑が厳しい新学期、帰りの長いホームルームが始まった。コダマは相変わらず成績の悪い生徒を見下し、名指しで叱りつけていた。ただの腹いせでこんなことを繰り返していることに、みんなとっくに気がついていた。数学が苦手な私は少々苦戦していたが、英語と国語が得意科目だったため、総合的に見るとそこまで成績は悪くなかった。 「お前なんか、いい点を取れるはずがない」 コダマはそう言って、私の成績一覧が印刷された細長い紙を教壇からヒラヒラと床に落とした。私は思わずコ

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」 第3話・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品)CW 

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」第2話 ・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品)CW

          廊下の怪談 「どうしよう…」と、今にも泣き出しそうな女子が呟いた。 学校祭が近づいたある日の朝、教室に入ると女子たちは深刻な顔をしていた。理由を尋ねたとたん、泣きそうだった女子の視線が私の背後に釘づけとなり、彼女は言葉を失った。私は背後に奴の気配を感じ、ゾクッとした。 「楽しみだ。実に楽しみだ。これでユートピアに一歩近づいた」 コダマがものすごい力で私の肩を押さえつけながらそう言った。指名された女子はビキニ姿で学校祭のステージに立ち、昔のアイドルの歌を歌うよ

          「体罰・すべての被害者たちへ捧ぐ」第2話 ・怪談長編小説(note創作大賞2024・ミステリー小説部門応募作品)CW

          霊感とは 実話

          はじめに 今回は私(Kitsune-Kaidan)の霊感の歴史について書いてみたいと思います。霊感は実に人それぞれだと思います。私の霊感とみなさんの持つ霊感は似ているところと、違うところがあると思います。さまざまな霊感を比べてみるのも面白いのではないでしょうか。 以前 は、第六感と霊感について五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)の観点から箇条書きにして書き出してみました。こちらから読めますので、あわせてお読みください。 それでは、不気味な世界へとつながる扉をお開けくだ

          「緑のやつ」 ショート実話怪談

          はじめに これは私(Kitsune-Kaidan)がキャンプに出かけた時に緑の妖怪を見たショート実話怪談です。いまだにはっきりとした正体はわからないのですが、あの時に目撃した不思議な緑色の存在を今でもはっきりと思い出せます。 それでは、不気味な世界へとつながる扉をお開けください。どうぞお気をつけて、行ってらっしゃいませ。 買い出し あの夏、久しぶりの遠出でワクワクしていた。ところが、この町に入ってからはなんとなく落ち着かず、私はソワソワしていた。 (かなり田舎だな

          「緑のやつ」 ショート実話怪談

          「廃墟ホテル」 ショート実話怪談

          はじめに これは私(Kitsune-Kaidan)が地元のある温泉ホテルに泊まった時のショート怪談です。あの時の私は、過去の記憶がまるでスッポリと抜け落ちてしまったかのような状態でその不気味なホテルに宿泊しました。 夜に起こった身の毛もよだつ怖い体験をきっかけに、そのホテルの場所にまつわる過去の記憶が突然フラッシュバックしました。まさか時を経て同じ場所で2度も怖い体験をするとは思ってもいませんでした。実はそのホテルがあった場所は地元ではかなり有名な心霊スポットで、幽霊の

          「廃墟ホテル」 ショート実話怪談