「コンタクト」 実話ショート怪談
はじめに:UFO
これは私(Kitsune-Kaidan)が体験した実話ショート怪談です。
海外では未確認飛行物体(UFO)などの存在について正式に報道していますし、日本でもそのような報道が少しずつ増えてきているように思います。私はスカイピープル・宇宙人的な存在を肯定しています。むしろ、自分も元はそうなのだと思っています。それでは、実際に宇宙人的なものに遭遇したことがあるか…。答えはイエスです。
数年前のある晩、私は仕事で疲れていたので早めにベッドに入ることにしました。愛犬といっしょに1階にいた主人は、ヘッドフォンをつけて音楽を聴いていました。私はスマホを見ながら少しウトウトしはじめると、突然…
ドドドドドド…ブルブルブル…
これまでに感じたことのないバイブレーションを身体中で感じた瞬間、眠気が吹っ飛びました。と、同時に窓ガラスがブルブルと振動しはじめました。一瞬、地震がきたのだと思い起きあがろうとして、すぐにそれが地面の揺れではないことに気がつきました。
経験したことのないできごとに遭遇すると、私はなぜか異常に落ち着いた気持ちになります。もしも地震だった場合は、きっとすぐに声を出して階下の主人に声をかけたと思います。
「地震じゃない…」
その振動はスマホなどのバイブ機能とも少し違う、もっとソフトでグルグルと円を描いているような…そんな揺れ方でした。振動が続いているのにも関わらず、一瞬時がとまったような感覚がして静けさに包まれました。
次の瞬間、その沈黙を打ち破るように窓がガタガタと揺れ出し、自衛隊の飛行機の音が聞こえてきました。なぜ自衛隊だとわかったかというと、近くの基地のいつもの演習の音と同じだったからです。いったい何機屋根の上を通り過ぎて行ったのかわからないほどの騒ぎでした。それはまるで、はじめに感じた穏やかな振動を追いかけるかのようでした。その晩、ヘッドフォンをしていて気がつかなかった主人も不思議な振動を感じたと語っていました。
後日知ったのですが、やはりあの騒動はUFOであったという噂があっとうまに巷に広まりました。近くに住んでいた主人の友人も私とまったく同じ経験をしたそうです。その方も、
「あれは確実にUFOだった」
と、言っていました。彼は実際に何度もUFOを目撃しているので、信憑性がありました。
その時体感した不思議な振動の感覚は今でも思い出します。今回はその数年後に実際にこの目で見た宇宙人のお話をします。彼らのコンタクトの意味も推察してみたいと思います。
それでは、不気味な世界へとつながる扉をお開けください。どうぞお気をつけて、行ってらっしゃいませ。
疲労感
その日はなかなか眠ることができず、ベッドの中でゴロゴロしていた。疲れ切っている時は眠気がマックスなのにもかかわらず、眠ることができない。余計に寝られなくなるのでダメだとわかっていながら、スマホで適当にあれこれ動画を観ていた。
いよいよ眠らなくては明日の仕事に響くと思い、しぶしぶスマホを枕元のサイドテーブルにポンっと置いて布団にくるまった。スマホの光で起きてしまわないよう画面は下に向けておく。
しばらくすると、主人が寝室に入ってきた。ものすごく眠そうな顔をしていたので、私もつられて眠いのだと思い込むことにした。
カチャ カチャ カチャ
主人のうしろから同じく眠そうな顔をした愛犬が歩いてくるのが見えた。愛犬はいつも私の横に登ってきて足元にピッタリくっついて眠る。その日もいつも通りベッドに登り、私の足元にドスンと転がって眠りについた。
どのくらい経ったのだろう。
すっかり深い眠りに落ちた私を起こしてくる存在に気がついた。
ファースト・コンタクト
目を開けた私を見下ろす何者かが枕元に立っている。その美しい存在にしばらく魅了された。
とにかく綺麗だ。
この世に存在するモノではないのがすぐに理解できた。怖いとか、身の毛がよだつとかそんなことを考える余裕もないというのが正直な感想だった。できる限りその存在の見た目を書き出してみよう。
・細い
・華奢
・背が低い
・半透明のようでしっかり存在している
・縫い目のないスムーズな素材のメタリック色のボディスーツを身にまとっている
・頭の部分がとってもファンキーな髪(?)型
・派手なメイク(?)をしているような顔つき
・性別はニュートラル
・背景には宇宙空間のような、未来のような映像が映っている
・バーチャル空間のような機械的な表記がうっすら見える
思いだせる範囲で書き出してみた。
映画マトリックス(かなり有名な映画なのにも関わらず私はまだ観たことがない。というか、観る気持ちになれないと言ったほうが正しいかもしれない)、スターウォーズ、スター・トレック、ブレードランナーなどなど…。これらの映画と私が目撃した宇宙人と比べると、どれもかなり近い色合いだったと思うが、何かが惜しい。
私が実際に見た宇宙人は、映画で見たものよりもっと鮮明な色合いでもっと未来的で緻密な映像だった。自分が映画の空間に入り込んでいるようなリアルな体感がした。その宇宙人の体と融合し合うように緑のネオンのような色をした機械的な文字や数字の羅列が見えた。
そして、その宇宙人は、ゆっくりと私にコンタクトをとりはじめた。
宇宙人の仲間
その枕元に立つ美しい宇宙人がおもむろに私に向かって話しかけてきた。と言っても、自分たちと同じような声を発するわけではない。専門用語はよくわからないが、テレパシーのようなものだったように思う。
もう少しくわしく説明すると、声は出ていないが何らかの言語は話していた。私にはその言語がわからないが、霊視に近い感覚といえばおわかりいただけるだろうか…。私に向かって何かを訴えかけている。
すると、その宇宙人の背後に見えている未来的な宇宙空間からたくさんの宇宙人たちが歩いてくるのが見えた。
その光景に圧倒された。時がとまったかのような静かな時間が流れている。ふと私の足元で眠る愛犬の姿を確かめたが、相変わらずスヤスヤと眠っている。
記憶
彼らが私に訴えかけていたことを思い出そうとしても、明確に思い出せない自分がいる。メモをとろうと思ったのだが、なぜかそれができなかった。メインの美しい宇宙人が読んだ仲間たちが私のベッドの周りを囲み、全員で私の方を見下ろし、一生懸命ジェスチャーをしていたのはうっすらと覚えている。
武術の形を見せてくれている。
そんな感覚がした。ひとりずつ役割があって、その形を私に示している。そんな感じがした。
彼らの動きはものすごくスムーズで魅力的だった。とにかく美しいフォルムをしているのだ。着衣というよりは体の一部になっているような、スベスベのメタリック色のボディに触ってみたい衝動に駆られたが、何とか我慢した。
触ってはいけない。
そう強く思った。
彼らはどのくらいの時間滞在したのだろうか…。体感では10分〜15分くらいだったが、もしかすると一瞬だったようにも感じる。
ベールのカーテンがサッと目の前に現れ目隠しをされるような感覚になり、瞬く間にその存在たちが消え去った。
おわりに:推察
彼らが私にコンタクトをとった理由について考えてみます。記憶が定かではないのにもかかわらず、彼らはまったく怖い存在ではあったことは覚えています。どちらかというと、懐かしい気持ちがしました。フレンドリーで人懐っこい感じがしました。よくある怖い話のように私をさらいに来たとか、洗脳しようとしたとか、そんなことはつゆほども感じられなかったのです。
もしかすると、私が眠っているときに、彼らは何度も私の元を訪れているような気がします。夢を通じて私に話しかけているかもしれませんし、実際に枕元に立っているのに記憶がないだけかもしれません。
遠い記憶の中で会ったことがある…そんな親近感すらあるのです。
「私はスカイピープル、つまり宇宙人的な存在を肯定しています。むしろ自分も元はそうなのだと思っています。」
と、冒頭に書きましたが、そのように感じる理由をまた別の機会で書きたいと思います。
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Kitsune-Kaidan
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