マガジンのカバー画像

オリジナル小説まとめ

17
脳内に沸いちゃったのをちまちま抜いていきます。
運営しているクリエイター

2024年8月の記事一覧

私のドッペルゲンガーは相変わらず実に嫌な笑顔をこちらに向けて 「御挨拶ですな 私はただ貴…

木辻明文
3週間前
1

三羽の論争は続くにつれて姦しさを増した。 私は大司教に責める目を向けた。 大司教は今度は鍵…

木辻明文
1か月前

大司教が調理場へとやってきた。 「随分と冷え冷えしてますな 何がありました?」 私は輔弼大…

木辻明文
1か月前

私は下を見ないようにしながら楽師団長に尋ねた。 「しかし浮上するだけならこんな高いとこで…

木辻明文
1か月前

「では、いつになったら安定するのだ」 私は御器齧りの姿で宰相に尋ねた。 「固定するのはあな…

木辻明文
1か月前

私は公爵の言う、「部屋の隅に這えたキノコ」が気になり、場所を聞いた。 公爵曰く、蔵の隅に…

木辻明文
1か月前

主はこちらを見据え、答えた。 「木が舟となってしまえば、島の方向も距離も分からなくなることだ。あの島は木の根元から見つけられない位置にある。」 私はしばらく沈黙した。そして 「探せばよい」 と言った。 主は笑って頷いた。 そして我々は再び上昇を開始した。 そして梢にたどり着いた。 主は梢の先端の細くなっているところに取りつき、その体で昇り螺旋をつくった。 そして梢の先端を咥え、何事か唱えた。 次の瞬間、私は船の上に立っていた。 船はガレオン船と呼ばれる形状をしてお

輔弼大官は横目で私を見た。 「御前は私に名付けられることを望むのか?」 蛇は私の問いに気…

木辻明文
1か月前
1

私は首を振った。 宰相が瓢を取り出した。 「そろそろこいつを使う時ですかな」 彼はそういっ…

木辻明文
1か月前
1

宰相は苦笑した。 「兎も角、この井戸を調べて見なくては」 そういって彼は石壁の中を覗き込ん…

木辻明文
1か月前
1

「この砂は」 内大臣が口を開いた。 「過ぎ去った時間としての死なのだ」 過ぎ去った時間にお…

木辻明文
1か月前

進みながら、私は影に尋ねた。 「もしいつまでも、何事も起こらなければどうするのだ?」 宰…

木辻明文
1か月前
1

学士団長はこう語った。 「嘗てバビロニア王がアラビア王を自らの迷宮に招き、その迷う姿を笑…

木辻明文
1か月前

「さて弁明しましょうか」 「最初は『鏡の中の鏡-迷宮』の読書感想文をファンタジー形式で書いてみる企画だったんよな?」 「そうですし、今も一応そのつもりですよ。ただそれ以外の要素が信じられないくらい増殖してしまって。」 「それを説明する気は?」 「未出の大司教と公爵だけ言っときますか」 「輔弼大官はカウントしていいのか」 「まあいいじゃないですか。大司教は『黄色い人』で公爵は『唯野教授』です」 「全員何らかの形で神戸に縁があるわけね」 「ですです。」 「というかこの砂漠って