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私のドッペルゲンガーは相変わらず実に嫌な笑顔をこちらに向けて 「御挨拶ですな 私はただ貴…
三羽の論争は続くにつれて姦しさを増した。 私は大司教に責める目を向けた。 大司教は今度は鍵…
大司教が調理場へとやってきた。 「随分と冷え冷えしてますな 何がありました?」 私は輔弼大…
私は下を見ないようにしながら楽師団長に尋ねた。 「しかし浮上するだけならこんな高いとこで…
「では、いつになったら安定するのだ」 私は御器齧りの姿で宰相に尋ねた。 「固定するのはあな…
私は公爵の言う、「部屋の隅に這えたキノコ」が気になり、場所を聞いた。 公爵曰く、蔵の隅に…
主はこちらを見据え、答えた。 「木が舟となってしまえば、島の方向も距離も分からなくなることだ。あの島は木の根元から見つけられない位置にある。」 私はしばらく沈黙した。そして 「探せばよい」 と言った。 主は笑って頷いた。 そして我々は再び上昇を開始した。 そして梢にたどり着いた。 主は梢の先端の細くなっているところに取りつき、その体で昇り螺旋をつくった。 そして梢の先端を咥え、何事か唱えた。 次の瞬間、私は船の上に立っていた。 船はガレオン船と呼ばれる形状をしてお
輔弼大官は横目で私を見た。 「御前は私に名付けられることを望むのか?」 蛇は私の問いに気…
私は首を振った。 宰相が瓢を取り出した。 「そろそろこいつを使う時ですかな」 彼はそういっ…
宰相は苦笑した。 「兎も角、この井戸を調べて見なくては」 そういって彼は石壁の中を覗き込ん…
「この砂は」 内大臣が口を開いた。 「過ぎ去った時間としての死なのだ」 過ぎ去った時間にお…
進みながら、私は影に尋ねた。 「もしいつまでも、何事も起こらなければどうするのだ?」 宰…
学士団長はこう語った。 「嘗てバビロニア王がアラビア王を自らの迷宮に招き、その迷う姿を笑…
「さて弁明しましょうか」 「最初は『鏡の中の鏡-迷宮』の読書感想文をファンタジー形式で書いてみる企画だったんよな?」 「そうですし、今も一応そのつもりですよ。ただそれ以外の要素が信じられないくらい増殖してしまって。」 「それを説明する気は?」 「未出の大司教と公爵だけ言っときますか」 「輔弼大官はカウントしていいのか」 「まあいいじゃないですか。大司教は『黄色い人』で公爵は『唯野教授』です」 「全員何らかの形で神戸に縁があるわけね」 「ですです。」 「というかこの砂漠って